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庶民的な雰囲が漂う商店
街。遮断機のない踏切を
路面電車が通過する
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市営地下鉄堺筋線
天下茶屋駅(大阪市西成区)
下町情緒が漂う「昭和の大阪」
大阪市内に唯一残る路面電車が音をたてて横切り、ほのぼのとした下町情緒が漂う。「昭和の大阪」の原風景をほうふつとさせる、ここが天下茶屋商店街。軽自動車がやっと通れる狭い路地の両側にたこ焼き、駄菓子、食堂などの店が軒を連ねる。店主らの決まり文句は「ほんま、寂れたなあ」。でも、別段焦っている風もなく…。
「景色は昔のまんまや。この辺は半世紀変わってへん」と話す紳士服店の店主、松尾猛さん(66)。三、四十年前、路地を人で埋め尽くした盆踊りのにぎわいが、今も心に焼き付いている。最近は路面電車やまち並みを撮影するカメラマンの姿も増えてきたという。
遮断機のない踏切を渡り、東へ歩く。西成・阿倍野両区の境界付近で“大阪五低山”の一つ、聖天山に突き当たる。標高十四メートルの山頂は「天下茶屋の聖天さん」の別称で親しまれる正圓寺の境内。根元付近から五、六本ほどに幹が分かれた珍しい桜がある。頼めば花見もさせてくれる穴場スポットだ。同寺がこの地に移築再興されて三百年以上たつが、付近には南北朝時代にさかのぼり、歌人で随筆家の吉田兼好の庵があったそうだ。
同寺の辻見祝子さん(74)は、気さくで話上手な女性だった。以前は近隣の飛田などから水商売の繁盛を祈念する参拝者が後を絶たなかった話や夢に出てくる竜王(白蛇)の話など、辻見さんの経験談に思わず身を乗り出した。今は公園となっている聖天山の北側で夜、楽器の練習に訪れていたミュージシャンの桑名正博さんに明かりを貸していたことなども、今となっては懐かしい思い出のようだった。
聖天山北側の公園内にはブルーテントがたくさんある。そんなこと気にも留めていないかのように、近所の兄弟がキャッチボールを楽しみ、親子が遊具で遊ぶ。“共生”にほっとしたのも一瞬、ブルーテントが日常的な風景の中に入り込んだ大阪の重い行政課題を肌で感じた気がした。
松虫通の南側は少し雰囲気の違う街並みが広がる。南北に縦断する中近世のメーンストリート・旧住吉街道を挟んで、西に太閤秀吉が茶の湯を楽しんだ天下茶屋跡や天下茶屋公園、東に安養寺、天神森天満宮が点在。粒ぞろいの史跡を「ロの字」で結ぶコースで、歴史散策をお薦めしたい。
放置自転車ないように協力を 永曽孝昌・天下茶屋駅長
南海電車の〇〇年のダイヤ改正で特急列車などの停車駅となって以来、乗り継ぎ客の利用が急激に増え、一日の乗降客は五万三千人(〇二年四月)と改正以前と比べ倍増しました。駅周辺の放置自転車も目立つようになりました。バリアフリーの観点から、自転車を放置しないよう駅利用者らに協力を求めていきたいですね。
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