大阪発 羅針盤

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候補乱立見通しの参院選大阪選挙区

2016年6月6日

敵、味方、元味方入り乱れ 全国の野党結集ムード尻目

 7月10日に投開票が行われる参院選大阪選挙区(改選数4)は、現時点で8人が出馬する。11人が立候補した前回2013年参院選に相当する乱立ぶりだが、今回の特徴は味方同士がぶつかる点にある。全国の改選1人区で候補を一本化する野党4党の結集ムードを尻目に大阪の民進、共産両党はそれぞれ候補を立てるほか、党勢拡大を目指すおおさか維新の会も2人を擁立する。まさに“乱戦”の様相だ。

 「野党同士のわだかまりや不信感があったかもしれないが、安倍政権に憲法改正をさせないため結集し、2人が当選するようにしたい」。生活の党元衆院議員の渡辺義彦氏は、参院選大阪選挙区に出馬する民進現職の尾立源幸氏(52)と共産新人の渡部結氏(35)を迎えた5月29日の討論会の狙いをこう説明した。

■推薦依頼

 与野党で一つの改選議席を争う1人区と違って、複数区である大阪の改選議席は四つある。故に、民進、共産はそれぞれ候補を擁立したが、その大阪でことさら「結集」を叫ぶのには訳がある。「与党か野党かの大きな対決点から見たとき、与党でも野党でもないおおさか維新の存在価値はない」と語ったのは共産党衆院国対副委員長の宮本岳志氏だ。

 とはいえ、おおさか維新に対する脅威論が本拠地大阪にあるのも事実だ。おおさか維新が2人目の候補擁立によって票を上積みすると分析した民進党府連幹部は「(代わりに)共産、公明票が減ることはあり得ない。うちの打撃は大きい」と懸念。前回参院選で民主党(当時)現職が議席を失っただけに、尾立氏は生活、社民両党への推薦を早々に依頼した。「共産を除く野党統一候補」として臨む意向だ。

■議席阻止

 「1人区で一緒になって、複数区で戦って、訳が分からん」。おおさか維新代表の松井一郎氏は6月3日の記者会見で、野党結集をこう批判した。大阪選挙区で新人の浅田均氏(65)に加えて新人の高木佳保里氏(43)を擁立する狙いは政策実現に向けた議席増だけでなく、敵視する民進、共産の議席阻止にある。

 しかし、高木氏はもともと、2011年の堺市議選で自民党から出馬し、初当選した経緯があるだけに、おおさか維新として国政を目指す明確な理由が求められることは間違いない。

 敵、味方、さらに元味方が入り乱れる戦いが今回の参院選の特徴だ。有権者は選挙の構図をはじめ立候補予定者の訴えを見定める必要がありそうだ。

 大阪選挙区はこの他、自民新人の松川るい氏(45)、公明現職の石川博崇氏(42)、幸福実現新人の数森圭吾氏(36)、支持政党なし新人の佐野明美氏(45)が出馬する。