大阪発 羅針盤

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高齢化する大阪の消防団

2016年6月10日

平均44・9歳、全国4位 団員数横ばい、若者不可欠

 火災や災害から住民の生命や財産を守る「消防団」。地域防災のリーダー役として重要な役割を担っているが、全国的に団員数が減少し高齢化の傾向にある。大阪府も同じで、いかに若者の加入を促すかが課題となっている。

 消防団は各市町村が設置し、非常勤特別職の地方公務員。原則18歳以上が入団でき、普段は仕事をしながら、災害発生時に出動する。大阪府も43市町村すべてに消防団がある。報酬は平均年3万4千円。

 ただし、大阪市は市消防局OBでつくる「災害活動支援隊」が担う。昨年4月現在の隊員数は645人。堺市にもできた。

■プラス5歳

 消防団は近年、団員減と高齢化が悩みの種だ。大阪府はどうか。

 昨年4月1日時点の府内の合計団員数は1万476人。条例定数(1万971人)に対し、0・6%減=表参照。過去5年間で見ると、団員数はほぼ横ばいで推移している。

 一方、団員の高齢化に直面している。府の平均年齢は44・9歳で全国4位(前年4位)。ここ5年間でも、全国に比べ約5歳高い。

 市町村消防団の連絡調整役を務める府消防協会。府と消防操法訓練大会を主催する。ポンプ車操法などはチームワークのほか、体力や機敏な動きが必要だ。若い力を団の中に取り入れていかないと、今後維持できなくなる。

 団員確保へ、府は活動をPRするポスターを独自に作り、市町村に配布。現役の団員が出演するドラマ仕立てのDVDも制作した。

 一方、全国各地でここ数年、消防団員を対象に割引などの特典サービスを提供する「消防団応援の店」が増えている。大東市には現在、26店舗ある。

■使命感が必要

 では、なぜ若者は消防団に入ろうとしないのか。

 都市化とともに、地域コミュニティーが希薄になっている。かつては祭りなど、地域の大人と一緒に活動する中で自動的に青年団や消防団に入っていった。地域付き合いをしない人も。自治会の組織率の低下と同じだ。

 ただ、大阪府の場合、各消防団の下に分団があり、1人やめたら1人入れるなど、団員数を維持する“システム”がある程度機能しているという。

 東日本大震災などでは消防団員の使命感を持った行動で、多くの命が救われた。半面、命を落とした団員もある。

 国の指針を受け、各市町村は団員の安全管理マニュアルを作成している。まずは自分、家族の安全を確保した上で、初期消火や避難誘導、救急救命をしながら適切に常備消防(消防職員)につないでいくのが大切だ。

 頼もしい話もある。全国的にも女性消防団員が増えているが、大阪府内も昨年4月現在で222人(前年195人)いる。応急手当普及員講習などを熱心に受けている。

 住民の安心・安全をいかに守っていくか。防災・減災の重要性が叫ばれる中、各自治体の大きなテーマとなっている。「自らの地域は自ら守る」−。消防団の精神を次世代に引き継ぎたい。