大阪発 羅針盤

 地域の取り組みや課題、人々の動きや思いを通して大阪の明日、日本の未来を展望します。

商売でつながる鳥取とミナミ

2016年7月16日

狙いは互いの訪日客 相乗効果でにぎわい創出

「鬼太郎」の登場で沸く「大阪ミナミ400年祭・本祭&にぎわいスクエア」=大阪市中央区のとんぼりリバーウオーク(昨年)

 「大阪ミナミ夏祭り2016&にぎわいスクエア」が16、17の両日、大阪市中央区のとんぼりリバーウオーク(道頓堀橋―太左衛門橋)で開催される。鳥取県中西部から観光団体や企業が参加するが、夜は市中央区商店会連合会と連携基本協定に調印する運びとなっている。山陰と“くいだおれの街”がどう結び付くのか。ターゲットは大阪ミナミにありそうだ。

 鳥取県から大阪を目指すのは、米子(よなご)、境港(さかいみなと)両市などの経済人有志でつくる「山陰にぎわい創出プロジェクト」(伊坂博会長)。昨年発足し、同イベントにも参加。合わせて中央区南商店会連合会と連携協定を結んだ。

 狙いは、日韓ロ定期貨客船で水木しげるロードや青山剛昌ふるさと館などに海外からの観光客が訪れる県中西部と、道頓堀などの繁華街がインバウンド(訪日外国人旅行客)でにぎわう大阪ミナミで、双方の観光地を紹介するなど相乗効果を図ろうというもの。

 両地域のビジネスマッチングにも取り組む。プロジェクトの田淵英志事務局長はズバリ、「商売でつながることで、本当の交流ができる」と言う。

■長続きが大事

 鳥取県は近年、関西圏での情報発信を強めているが、民間が主体となって大阪の商店会と協定を結び、仕掛けていくのは珍しい。

 今回の出展には大山(だいせん)観光局、同ロード振興会、北栄(ほくえい)町商工会女性部など各種団体のほか、温泉旅館や酒造会社、回転ずし店なども名を連ねる。県ゆかりの「鬼太郎」や「コナン」も同行。まさに異業種の組み合わせだが、そこがミソのようだ。

 2年目のプロジェクトが念頭に置くのは、ビジネス的に長続きする仕組みを作ること。事前に相手方に何を販売している会社かを伝え、酒や水産物を扱う大阪の問屋と直接取引する。そのためのビジネス交流会も実施。商売だからこそ、確かな関係が持続できる。

 では、なぜ大阪ミナミなのか。近年道頓堀や心斎橋は中国人観光客が押し寄せる。“爆買い”もひと頃よりは落ち着いたが、ミナミのあちこちで中国語が飛び交う。多くが関西空港からの入国だ。

 一方、ソウル便が就航する米子鬼太郎空港は今月から上海からのチャーター便が飛び、秋には香港便も就航予定だ。これにより、関空から入国し、大阪観光を満喫した後、鳥取県に行き、米子から帰国するなどのコース設定もできる。

 同プロジェクトは昨年度、外国人観光客用のガイドブックを作成した。いまは誘客の好機であり、ポイントは大阪ミナミにあるということだ。

■山陰の商都から

 ビジネスとインバウンドの両面から、文字通り「にぎわい」をつくり出す。そのためには両地域の関係を深化させることが必要だ。

 今年は16日夜に、大山観光局と、中央区南、東商店会連合会が合併し今月発足した区商店会連合会(千田忠司会長)が協定書に調印する。

 鳥取県の異業種が大阪の繁華街でビジネスに取り組む。競争や厳しさもあるが、世界も広がる。米子は「山陰の商都」と呼ばれるが、知恵を絞れば、商都大阪でいい商いのきっかけがつかめるのではないか。