大森均の釣れ釣れ草

黒潮蛇行の影響

2018年2月26日

和歌山県袋のグレ釣り

低水温の中、一人気を吐いた松田さん

 今年の和歌山は総じてグレの魚影が薄い。魚によって活発に餌につく水温は違うが、特にグレは水温の変化に敏感だ。例年なら串本周辺は黒潮の接岸で16度から17度を維持している。しかし、今年は東海沖で大きく蛇行し、その影響で室戸岬、潮岬で黒潮が大きく離岸し、今年は平均2度ほど低い。

 これが今年の魚影が薄い原因ではあるが、例えば前日まで16度だったものが15度に下がったらほとんど釣れることはない。逆に15度が数日続いて1度でも上がろうものならこれは大釣りの可能性が高い。

 ▽スクランブル発進

 グレが水温に敏感な話としてこんな話がある。30年ほど前になろうか、低水温が続いてまったく釣れなくなった徳島の牟岐津島では釣り客の姿がすっかり消えた。それも渡船業者も悲鳴を上げるほどひと月近く続いた。

 ある日、徳島の名手、故中川文二さんになじみの船頭から電話があった。「暖かい潮が入ってきたのか水温が1度上がった。まだ上がるように思うが明日なら釣り客もいないし磯も好きなところに上がれる」とのこと。

 早速、今日の明日にスクランブル発進できそうな釣友を探すと…いた、いた。後にジャパンカップを6度制した立石宗之さんが呼応した。

 当日、船頭が情報を寄せた水温よりさらに1度上がっていたという。しかも海域全体の磯を2人で貸し切りのような状態だった。とりあえず、船頭が選んでくれた磯に渡礁した。まず、ここで2人合わせて20尾あまりの好釣果。そのうち波が静まり、磯替わりを促す船頭がやってきた。

 本命の磯に転戦すると、第1投から竿(サオ)をひったくるようなアタリの連発。まさに文字通りの入れ食いでおのおののクーラーがすぐに満タンになった。2人のマキエを一つにして、空いたバッカン一つに魚を入れて対応したが、ほどなくそれもいっぱいになった。これは、いかに水温の変化が釣果に影響を及ぼすか、という好例であろう。

 ▽水温3度の違いで5倍の差

 「今年は黒潮が離岸して釣れていませんなぁ」と、十分承知している本紙の気配の欄を輪番で担当する松田勝也さんは19日、和歌山県串本町袋の名礁「一の島」に立っていた。

 このレベルの釣り狂いになると、釣れていないからといって釣行を思いとどまる思考回路にはなっていない。釣り始めたが、いまひとつの潮行きで状況はよくなかったらしい。「しばらくして、右から左にわずかに潮が動き始めました。15メートル沖の海面下をサスペンドするウキが海中に消えていきました。この1尾目がこの日最小の27センチ。2尾目はグレとは違う引きでしたが、案の上、32センチのシマアジでした。それから3時間ポツポツと釣れ続きましたが、いつものペースではありませんでした。去年の今頃、この場所で51尾釣れた頃は17〜18度ありました。3度の違いで5倍釣果に差が出ました。やっぱり水温の影響は確実にありますねぇ」と松田さん。

 しかし、ほとんどの釣り人が0〜3尾という釣果の中、グレ27〜35センチ10尾とシマアジ32センチ1尾の堂々たる竿頭。低水温でもやる人はやりますなぁ。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■泉佐野・大阪

 洲本沖に出る半夜釣りのメバル良型そろう。同魚23〜30センチ8〜15尾と堅調。ハリス1、ハリ7、オモリ30号。要予約。▽海新丸=電話0724(69)2332

 ■船(2)■小浜・福井

 五目釣りでサバ、アジ、アマダイ、アコウ、チダイ、ガシラ、マハタ、イサギ、沖メバル、ウマズラハギなど多彩な魚種を15〜40尾。要予約。▽松福丸=電話0770(52)6298

 ■船(3)■阿尾・和歌山

 日の岬沖に出る寒イサギ(26〜36センチ)期待。連日の竿頭が30尾前後。竿2.1〜2.4メートル、オモリ120号、吹き流し3本針。要予約。▽共栄丸=電話0738(64)2318

 ■磯■袋・和歌山

 一の島、モムシ、コジなど実績場に加えて、そろそろ産卵をひかえて地磯まわりの潮のゆるい場所でも期待できそう。完全予約制。水温14〜15度。▽かわばた渡船=電話0735(62)0052

 ■波止■水軒一文字・和歌山

 ガシラが短竿の探り釣りで19〜23センチを10〜20尾。また、25〜30センチのアイナメが1〜3尾期待できる。エサはシラサエビ。▽水軒波止渡船組合=電話073(445)6064

 ■波止■北港・大阪

 エビ撒き釣りでチヌの良型2〜3尾、ついでに寒スズキの大型一発狙いをオススメする。特にこの時期は、底撒き器を使って、狙ったタナ直撃が釣果につながる。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 ■管理釣り場■芥川・大阪

 ニジマス堅調。20〜40センチ30尾見込める。「放流前に居残りの魚をいかに釣っておくかが大切です」と漁協談。▽芥川漁協=電話0726(88)0224

 ■ワカサギ■佐中ダム・兵庫

 桟橋の分かれ目付近でワカサギ5〜10センチ50〜100尾程度の釣果。ハリス0.3号、ワカサギ針1号7本。エサはベニサシ。▽ハイマート佐中=電話079(593)0888

 (大阪日日APG 松田勝也)