連載・特集

大阪ヒト元気録

大阪から音楽を発信

作曲家、追手門学院大阪城スクエア企画アドバイザー
門田展弥さん(58)
2012年2月22日

国内音楽家に発表機会開放

「家族で楽しめるクラシックコンサートも開きます」と話す門田さん

 高校の吹奏楽部でオーボエの哀愁を帯びた音色に魅了されたという門田展弥さん(58)=兵庫県西宮市=。周りのクラスメートが受験勉強一色に染まる中、オーボエ奏者、さらには作曲家を目指した。クラシック音楽を取り巻く大阪の文化・芸術環境は決して恵まれていないが、「音楽は世界共通。大阪から世界にクラシック音楽の魅力を発信したい」と意欲を見せる。

■初志貫徹

 オーボエは高価な木管楽器で高校時代は、西岡信雄・元大阪音楽大学長の紹介でアマチュアの西宮交響楽団に入団し「オーボエを触らせてもらった」という。楽団でオーボエを吹きながら毎週1回、宝塚歌劇団所属のオーボエ奏者、野村修氏に師事した。

 父親は厳格な銀行マンで音大進学に反対したが、「一回限りの自分の人生。好きな道に挑戦したい」と初志貫徹した。

 日ごろのけいこの成果を発揮して京都市立芸術大に現役入学。大学ではオーボエを岩崎勇氏に師事し、大阪教育大大学院に入学した後は、物部一郎氏から作曲の指導を受けた。

 大学院修了後はフリーの作曲家として活動するとともに、奈良文化女子短大音楽科の非常勤講師として週1回教壇に立ち「音楽通論」を教えた。30歳で結婚、神戸の山手女子高の音楽専任教諭として14年間、教鞭(きょうべん)を執った。38歳の時に1年間、英国のロンドン大学音楽学部(ゴールドスミスカレッジ)に留学し、E・グレグソン氏に作曲を師事。

 「安定した音楽専任教諭の職を辞し、フリーの作曲家の道を決断した時は悩んだ」というが、自分の能力を信じて好きな作曲家の道を選んだ。

■法王も驚嘆

 2008年、パリ国際大学都市日本館において「門田展弥クラリネット作品集」が日仏交流150周年イベントの一環として開催され、大きな反響を呼んだ。10年9月にはワールド・ユース室内合唱団によって門田さんが作曲した「チェロと弦楽のための協奏曲」がロンドンで初演された。

 12月には「クラリネット・ソナタ」をバチカン・ラジオが放送。クラリネットとピアノの音響的な相性が抜群で、偶然第3楽章を耳にしたローマ法王ベネディクト16世は「作曲者は日本人」と知って驚嘆したという。

 今年6月には最新作「バイオリン協奏曲」が英国で世界初演奏される。

 ○…作曲家、音楽評論家として活躍する一方、門田さんがいま注力しているのが「大阪」から「世界へ」向けて音楽を発信することだ。追手門学院大阪城スクエア企画アドバイザーとして、海外で活躍する一流のクラシック音楽家を大阪城スクエアと協力して招聘(しょうへい)。国内の音楽家にも発表の機会を開放し、家族で楽しめるクラシックコンサートを開催。さらに今後活躍が期待されるメンバーらが4月から毎月コンサートを開催する。大阪城スクエアのある上町台地はクラシックの調べが巻き起こっている。