キラリと光る★なにわの企業図鑑

 久しく「地盤沈下」と表現されてきた大阪だが、魅力的な企業がめきめきと頭角を現している。商品やサービスはもちろん、近年話題となっている労働環境まで、多彩な展開で注目を集めている。そんなキラリと光る現場に焦点を当てる。

akippa(アキッパ)

2018年12月27日

駐車場シェアの先駆者 「出会い」促す環境づくり

サービスの仕組み 貸し手と借り手に利点
 アキッパは、空いている月決め駐車場や個人宅の車庫などの管理者と提携。借り手は15分単位、1日単位でネット予約し、駐車できるようにしている。
 2014年のサービス開始以来、駐車場の拠点数は2万5千カ所以上となり、借り手の会員数は100万人を超えている。
 借り手は、現地に到着してから駐車場を探す手間が省け、周辺の有料駐車場よりも基本2割程度安く借りられるのが魅力。貸し手は、使っていない場所や時間帯を有効に活用し、駐車料金から手数料を差し引いた金額を報酬として受け取れる。
スマホでゲート操作 利便性向上へ
 利便性向上の一環で、出入り口にゲートがある有料駐車場でも、スマートフォンのアプリや、専用機器への数字入力で開閉できるシステムを、東京のシステム開発会社と連携して導入した。
 貸し手にとっては、稼働率が低い時間帯の有効活用になり、借り手にとってはゲート内のため駐車中の安全性向上などに役立つとみている。
イベントの盛り上げ連携 スピード競争 子どもに人気
 スポーツチームと連携し、観戦時に駐車場が見つけられない問題の解決に尽力するとともに、イベントの盛り上げにも一役買っている。
 サッカーJリーグ・セレッソ大阪の試合やファン感謝祭では、子どもたちが電動乗用玩具に乗って駐車スピードを競うコーナーを開設したりして、人気を集めた。

 物や場所の貸し借りをインターネット上で仲介する「シェアリングエコノミー(共有型経済)」が注目を集める中、空き駐車スペースにいち早く着目し、ネット予約サービスを展開しているのが「akippa(アキッパ)」だ。「“なくてはならぬ”をつくる」を経営理念に掲げ、日常の困り事を解決しようとする中でサービスを創出。貸し出し駐車場の拠点数は、国内で業界トップだ。場の提供を通して「出会い」を促す環境づくりに貢献している。

世界一になり、より良い世の中

アキッパ 金谷元気社長

 −駐車場シェアサービスに着目したきっかけは。

 使えなくなると不便な電気のように「“なくてはならぬ”をつくる」を、会社のビジョン(将来構想)に掲げたのがきっかけ。社員全員で日常の困り事を書き出し、それを基にサービスを生み出そうとしていた際、「駐車場は現地に行ってから満車だと知るため困る」という書き込みが目に留まった。

 その後、都市部で路上駐車が多い半面、月決め駐車場などが空いている実態を把握。コインパーキングは初期コストがかかるため、精算機をスマートフォンに置き換えようと考えた。

 −「シェア」の魅力とは。

 食料や電気だけでなくもっと多くの「もったいない」を解消できる。ご近所同士でしょうゆを貸し借りしていた時代のように、助け合いを可視化でき、近所付き合いの復活にもなる。その「近所」の対象はスマホによって広域化される。

 −サービス展開でこだわってきたのは。

 困り事を解決すること。直近は「会いたい人に会えない、観(み)たいものを観に行けない」の解決に最もこだわっている。われわれは駐車場そのものではなく、「人と人が会う手助け」を提供している。

 −今後の事業計画は。

 2040年に時価総額で世界一を目指している。30年には日本一、グローバルでトップ50に入りたい。駐車場シェアリング事業においては、20年には10万カ所100万台の駐車場を提供し、「駐車場で困ることがない」状況にしたい。

 −目標達成を通して、どんな社会にしたいか。

 私たちは「困り事解決企業」。そんな企業が世界一になれば、必ず世の中はより良くなる。世界一は目的ではなく、世界をより良くするための手段。まずは、多くの「会いたい」を、駐車場シェアにとどまらないモビリティー(移動手段)でつないでいく。

 〈会社概要〉
■本 社 大阪市西区西本町1の2の1AXIS本町ビル9階
■社 長 金谷元気
■社員数 71人(アルバイト含む)
■資本金 10億円(資本準備金含む)

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