浅野秀弥の未来創案

【府財政を検証する〈2〉】

2013年6月17日

将来にツケ回す橋下行政

 大阪府財政を検証すると、橋下府政時代に臨時財政対策債(国が自治体に交付する財源が不足した際、自治体がいったん借金し返済金は国が出す)などの赤字債大量発行を行ったため、減債基金(地方自治体の借金返済のための積立金)への積立必要額が急上昇している。

 実質公債費率(自治体の収入に対する負債返済の割合)が悪化した原因は減債基金への積み立てを橋下知事時代の4年間で1633億円も怠ってきたからだ。結果として今年3月、大阪府は起債許可団体(府債発行に総務相許可が必要)に陥った。昨年9月の府議会で、同年7月時点にさかのぼって債費平準化を行った結果、最新数字の今年2月時点の試算で、「平成27年度から同40年度ごろまで毎年3200億〜3300億円台の公債費が続く」という結果が出ている。そうなると早ければ5年後には財政健全化団体(府単独事業向け起債発行の制限を受ける)転落の危険性が出てくる。

 今にして思えば、橋下知事就任当時の言動は「単年度収支の黒字達成」のため、将来の健全化団体転落の危険性を知りながら、施策を進めた疑いがある。橋下氏自身の知事としての功績をアピールし、政治目標を実現するために、“将来の大阪の懐具合”に目をつむったとすればどうだろう? この事をマスコミが囲み取材で橋下市長に問いただすと、「住民サービスに使った。府のルールにのっとってやっているので問題ない」と言下に正当化し再質問もなく終わった。現実には隠蔽体質により単年度黒字を正当化し、府の財政悪化を将来にツケ回ししたことになる。

 一般家庭に例えて分かりやすくいえば、世帯主が勝手に毎年の住宅ローン返済を先送りし、「私のやりくり上手のおかげで、今年の家計は黒字になった」と、何も知らない家族を喜ばせているようなものだ。自らの功績を府民にアピールするため、公金の使い方をないがしろにした前知事の政治手法が今こそ問われている。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。我が国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済連合会幹事、堺市活力都市戦略委員。