浅野秀弥の未来創案

【株式会社ソーシャルデザイン】

2013年10月7日

廃業率低下への「希望」に

「ラクール」のホームページ

 日本経済が悪化するに従い、企業も売り上げを簡単に増やすことが難しくなり、経営コスト削減に注目が集まっている。企業の戦略立案とITシステム開発、デザイン物制作など、トータルサービスの提供を強みとしているソーシャルデザインは、今春、中小企業やベンチャー企業向けに経営効率化システム「RaQool−ラクール」をリリースした。

 どの企業でも、「売り上げを増やしたい」「経営効率を上げたい」と考えるが、それに多くの資金を投入できる大企業と異なり、中小企業やベンチャー企業は、ITによる業務効率化システムを導入できる資金力が乏しい。RaQoolは、そんな事業者をターゲットに見積書や請求書をクラウドで作成できる無料のWEBサービスとして開発された。社内の複数箇所でリアルタイムで情報を共有できるほか、出先でほんの1分程度で、パソコン、スマートフォン、タブレットなどから請求書が作成できるなど、小規模事業者の使いやすさにこだわった機能が多い。小規模事業者でも使えるよう無料プランを用意しており、企業の情報管理に必須の「顧客管理システム(CRM)」として活用できることも利用者を増やしている要因だ。

 サービス開始後、順調に顧客数を増やし続けているが、開発のきっかけとなったのは、学生ベンチャーとして起業してから「経営効率の悪さに悩まされた自身の体験からだ」と、代表の福島有二社長は言う。「起業当初は、事務員がいないため創業者が事務仕事もするが、非効率で多くの時間を取られてしまった。売り上げに繋(つな)がる営業や商品開発に最も時間を費やしたい時期に、それができなかったことが起業後の一番の悩みでした」

 RaQoolは現在「請求業務」に特化しているが、今後は名刺管理や生産管理などの機能拡充を予定しており、少ない投資で、大企業並みの経営システムを使いこなせるビジネスインフラの構築を目指す。起業支援サービスが充実しつつある現在、ソーシャルデザインのような起業後の経営支援サービスに進出する企業の存在は、日本の廃業率を減らすための希望になりうる。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済連合会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。