浅野秀弥の未来創案

【ファーストレディーは「公人」だ】

2017年4月6日

「私人」と強弁の首相思惑

 迷走を続ける森友学園問題は、野党の追及材料不足で決定打が出ないまま。国会は新年度予算も成立。後半の「テロ等準備罪=共謀罪」是非と、今上天皇退位実現への特例法案の取り扱いへ焦点が移ってきた感がある。

 疑惑の本丸「なぜ国有地が破格で払い下げられたか?」の本論からズレ、野党議員は週刊誌片手に「昭恵夫人がしゅうとめからしかられたらしいが?」と安倍総理に聞くに至ってはこっけいで、「ご心配には及びません」と鼻で笑われ一蹴されたのも当然だ。

 再度「総理夫人は公人か、私人か」を検証してみたい。官邸で昭恵夫人にインタビューした経験があるライターに聞くと、夫人付き秘書官は全員女性で、外務省と経産省からの出向。5人の年収総額は2800万円で当然公費。しかも官邸内に夫人と秘書官の事務室がある。ここを使って要人や来訪者と会い、おみやげとして似顔絵入りのメモ帳やボールペンをくれたそうだ。

 秘書官の名刺には、内閣総理大臣夫人付きとの肩書があり、住所欄には官邸の所在地と電話番号が入っている。この名刺を出され官邸の住所入り封筒で送られてきた照会に、中央官庁や自治体の役人が「私人からだ」と認識するのは無理だ。

 応対中の夫人は、大きな机の奥に座り慣れた様子で質疑応答し、内容を夫人付き秘書官が手際よくメモするが一切口は挟まない。そして予定時間が迫ると職員が「そろそろ」と声を掛け打ち切りを促す。最後の記念撮影で、その場で手際よく並ばせるまで職員がこなし、次の来客を迎える。一連の流れは実に手慣れ「夫人付きとはイコール夫人秘書官なのだ」と改めて認識させられる。秘書官の彼女らは、ファーストレディーに群がる利権集団をよく理解し、十分に警戒しながら一線を越えず夫人を支える働きぶりがうかがえる。こんな国家公務員を従えている限り、夫人は私人とはいいがたい。

 こんな当たり前のことさえ明らかにならないまま「森友問題を終わらせ、政治不信をより拡大して良いのか?」と国民に問いたい。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。