
さて今回のコラムでは、これから住まいづくりをお考えの方に、参考にしていただけることをお話ししたいと思います。
住まいは、「一生で最大の買い物」といわれる通り、定年、もしくは人生を終えるまで、ローンを払い続けなければいけません。だから、住まいづくりをする時には、しっかりした資金計画を立てる必要があります。
住まいづくりにおいては、よく「坪単価」という表現を耳にしますが、ここで提示されているのは、住まいづくりの総額ではなく、一部であるということを、まずは認識しておかなければいけません。
住まいづくりには、住まい本体以外に、土地の形状や地盤、電気やガスなどライフラインの状況によってさまざまなお金がかかります。さらに、仮住まいや引っ越し、そのほか細かなものも含めると、本体以外に、ざっと200万〜300万円はかかります。
さらに、住まいは消耗品ではなく住み続けるものなので、計画段階から維持費や光熱費についても考える必要があります。これは見落とされがちですが、非常に重要です。
例えば、断熱性や気密性を確保するために、300万円の建築費をかけたとします。しかし、その効果として年間15万円も光熱費が減少するとなれば、20年で建築時にかかった費用は賄え、その後はプラスになります。さらに、断熱性・気密性の向上から、冷暖房器具を使う頻度が減るため、その分のコストも下がります。
つまり、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」のバランスを考えることが、リーズナブルで賢い住まいづくりにつながります。
一方、長く住むためには最低限、丈夫な構造(基礎や骨組み)が必要です。軟弱な構造でたった20年しかもたない住まいと、世代を超えて暮らせる住まいとでは、何棟分もの差が出てきます。住まいづくりの費用を考えれば、この違いは非常に大きいです。
また現在、二酸化炭素削減や地球温暖化問題の影響もあり、「物を長持ちさせよう」という傾向にあります。住まいも同様で、国でも今年の6月、「長期優良住宅」という、100年住める住宅を優遇する制度が施行されました。住宅ローン金利の優遇だけでなく、固定資産税そのほか、税金の面でも優遇を受けることができます。
今後はますます、使い捨ての住まいではなく、変化に対応できる可変性の高い住まいが主流となってくるでしょう。
以上のように、住まいづくりをする時には、きちんとした資金計画のもと、まずは構造と断熱や気密といった住環境を優先することをお勧めします。それ以外の例えば住宅設備機器などは、時代とともに目まぐるしく変化する上、15年も持てば良い方です。恐らく15年後の家電製品などは、私たちが想像できないほど進歩していると思いますが、それに耐えうるライフラインを準備しておくことで十分です。
条件も予算も希望も異なる住まいづくりにおいて、資金計画や優先順位、取捨選択を間違えない、満足いく住まいづくりのために、お役に立てればと思っています。
(みずたに・よしかず 大阪府豊中市)










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