澪標 ―みおつくし―

ホノルル・サンフランシスコ ライブ書道ツアー

上平 梅径
ライブ書道家・青霄書法会主宰
2017年5月5日
モデル女性の背中にじかに書く初体験のイベント

 「二〇一四年ライブ書道・ワールドツアー2」と題して、2月7〜16日まで、ホノルル・サンフランシスコの2都市でワークショップや他ジャンルで活躍のアーティストの方々とのコラボレーションを敢行してきました。

 まず初めに、ホノルル到着後すぐにマリオットホテルにチェックイン。このマリオットホテルでは、2度のライブをさせていただきました。何よりも感動したのがホテルの支配人の心配りでした。

 ご用意いただいたジュニアスイートの部屋は、2カ所ある窓から真っ青な空と沈むオレンジ色の夕日、そして青い大海原のワイキキの海が一望でき、それはもう絶景でした。テーブルに目をやるとそこには二つのグラスと赤ワイン、そしてなにやらメッセージカードが。開けてみてビックリです。支配人からの心温まる贈り物! この赤ワインの他に冷蔵庫には南国の盛りだくさんのフルーツが。何よりもうれしかったのは、『先生のパフォーマンスを従業員一同も楽しみにしています』という1行でした。

 「ありがとう! THANK YOU」と思わずつぶやき、その感動を直ちに小さなスーツケースに書道道具とともに詰め込み、いざ最初の会場へ。外国人用に制作し、実用新案まで取得している簡単な絵画を取り入れた当会オリジナル教材を駆使してのワークショップでした。参加いただいた皆さんがことのほか熱心なのには、いい意味で期待外れでした。

 あっという間に時間が過ぎ、続いてはフライデーナイトというアートライブイベントへの出演です。ここでは、モデル女性の背中にじかに書くという初体験のクラブイベントも楽しめました。クラブの前の道路はこのアートイベントに合わせて通行止めとなり、たくさんの若者たちであふれていました。

 そんな通りに20メートルほどの白いキャンバスが用意されていました。何でもいいから書いて下さい! の言葉に「ALOHA PLEASE COME TO JAPAN」をアルファベットで揮毫(きごう)。その後、この文字をチェンジして漢字でのメッセージを贈りました。誘致を成し遂げた東京オリンピックの大成功を祈願して、一期一会・五輪・東京・美・平和・富士山・桜…と日本の素晴らしい情緒を伝えるべくこれらの文字にチェンジして書きあげました。そして、次に和歌を書き、その和歌にちなんだ漢字を、また逆に漢字を書きその漢字に仮名の連面を対峙(たいじ)させるという大作を仕上げました。300人以上はいたでしょうか。フラッシュの嵐とともに受けた質問攻めにも、決して流ちょうではありませんが英語でのコミュニケーションを大いに楽しみました。

 続いては、クラブ内でのコラボレーションライブです。アーティストのシャネルさんがモデルの女性の背中に時間をかけてペインティングを施しました。舞台から私へのカモンの合図が送られ、いざ出陣、まさに出陣。震える手を抑えてそのペインティングアートの上に「一心不乱」とまずは私の心情を書き、それでもまだ時間があったのでこれを「百花繚乱(りょうらん)」へチェンジ。落款も丁寧に下脇腹をめがけて…しかしピクリとも動かず…さすがモデル魂!

 このホノルルでいろいろなイベントをさせていただいた印象は、書に興味を持ってくれている方々が多いことと、そして芸術に対する深遠なる興味、自分の信念に従順に行動しているということでした。

 (うえひら・ばいけい、大阪市中央区)