澪標 ―みおつくし―

クールビズで思うこと

後藤 浩之
ごとう内科クリニック
2017年7月21日

 クールビズは、2005年に当時の小泉純一郎首相が、当時の小池百合子環境大臣に「夏場の軽装による冷房の節約」をキャッチフレーズにしたらどうかとアドバイスされたのが始まりと言われています。それ以降、環境省の主導のもと、ネクタイや上着をなるべく着用せず、夏季に28度以上の室温に対応できる軽装の服装を着用するように呼びかけられました。「涼しい」や「格好いい」という意味のクール(英語・cool)と、仕事や職業の意味を表すビジネス(英語・business)の短縮形ビズ(BIZ)を併せたものです。

 原発事故の影響で節電が必要となり、12年からはスーパークールビズを環境省は打ち出しています。毎年5月1日から9月30日の期間となっています。

 しかし、実際28度というと少し暑くて仕事の効率が悪くなりそうな室温です。労働安全衛生法では作業環境の室温を17度から28度の範囲にするとなっています。従って28度を超えると作業環境としては良くない状態を示します。そして、この室温の設定は科学的に検討した多くのデータから作成されたものではないようです。熱中症は25度以上から発症しやすくなります。したがって、健康や作業効率を考えると、もう少し設定温度を低くするべきかと思います。

 多くの方はクールビズのため、ネクタイや上着を着用していません。ワイシャツにスラックスというのが標準的です。しかし、おしゃれという点ではあまりにも個性がありません。最近はリュックサックを背負っている方も多く、中高生と区別がつかないと思う時があります。

 また、形状記憶ワイシャツの普及で、アイロンがけをしていない方も多く、少しくたびれた感じに見えます。したがって、本当に正装が必要な場合は設定温度を低くしても、ネクタイや上着を着用してほしいなと思います。冠婚葬祭の時にネクタイや上着を着用するのと同じと思います。

 地球温暖化防止のためにどうしてもクールビズをというのであれば、いっそうのこと、Tシャツにズボンではだめでしょうか?ワイシャツにスラックスの服装は正装とは言い難く、相手が不快にならない清潔感があれば、Tシャツでもいいのではと思います。ちなみに、環境省における服装の可否では、スーパークールビズになり、Tシャツは条件付きで可となっています。

 どうしてもTシャツでは抵抗があるというのであれば、学生服みたいに、その企業のロゴ入りのワイシャツやポロシャツなどを企業で提供したらどうかと思います。企業を代表して仕事をしている感じが出て、好印象ではないでしょうか。

 私の場合、真夏はTシャツにジーンズで通勤しています。職場で半袖の白衣とズボンに着替えます。学会や目上の先生にお会いする予定のある日は、スーツで通勤したり、学会に出席しています。その日の予定に合わせて服装を変えるのは、少し面倒ではありますが、快適かつ正装を心がけるという点では一つの方法ではないかと思っています。

 快適な服装を心がけつつ、相手に好印象を与える服装を模索していくのが良いかと思います。

 (ごとう・ひろゆき、大阪市都島区)