澪標 ―みおつくし―

希望の樹 〜息子とグレープフルーツの精油〜

相神 ゆり
アロマとハーブのサロンarbre de l,espoir主宰
2017年9月15日

 arbre de l,espoirというサロン名について、よく「なんて読むの?」と聞かれます。フランス語で「アーブル ドゥ レスポワール」、正確には冠詞Leがつくのですが、「あ」という音から始めたくてこのような読み方にしました。arbreは「樹」、espoirは「希望」という意味です。

 私にはもうすぐ18歳になる息子がいて、名前に樹という字がつきます。1歳半の時に離婚しているので、ずっと私の働く姿を見て育ってきました。小さい時は熱を出すと「お母さん、お仕事お休みしないといけないね。ごめんね」と気遣うような子でした。小1の時は暗くなってもマンションの前で私の帰りを待っていたのを思い出します。

 中2の冬休みが終わり3学期が始まろうとした時の事です。風邪をひき学校を休んだことをきっかけに学校に行かなくなりました。当時、私は母を突然亡くしたばかりの上、新規事業に関わるハードな日々で体調を崩し、子供のサインに気付く余裕がありませんでした。全ての事をシャットアウトする息子を見て、親失格だと自分を責めました。

 子供のためにがんばってきたはずなのに、何のために働いてきたのか? 子供としっかり向き合い、私自身も疲弊した心身を一度リセットするために仕事を辞める決断をしました。そして信州の山に登ったりと、2人で過ごす時間を取り戻しました。

 本格的にアロマの勉強をし、新たな道を歩み始めた私はどんどん元気になりました。息子が気に入った精油の一つがグレープフルーツです。グレープフルーツはアロマの学名で「楽園の果実」を意味し、心を明るく元気にする香りです。オレンジスイートなど柑橘(かんきつ)系の精油は、神経の緊張を緩めてリラックスさせ、明るく前向きな気持ちにしてくれます。柑橘の爽やかな香りは、憂鬱(ゆううつ)な朝や、心が疲れた時にそっとやさしく背中を押してくれますし、日中のリフレッシュにも最適です。

 息子は今、自転車(ロードバイク)で京都や姫路、先日は岡山までと活動的に行動し、目標も持ちたくましく成長しています。料理・洗濯・掃除もこなし、私が17歳の親任せだった時とは全く違います。

 子育てはまだまだ道半ばで壁にぶつかる事もありますが、アロマに出合ったことで、子供の持つ生命力を信じて、少しぐらい寄り道してもいいよとおおらかな気持ちになることができました。

 「希望の樹」というサロン名は、私にアロマの道へ進むきっかけを与えてくれた息子へ、未来に希望を持って生きてほしいというメッセージ、そしてサロンに来られる方にも未来が明るく希望があるようにと願いを込めています。

 今、子供のことで悩んでいるお母さん、子供が学校に行かなくても学校が全てではなく、その子の可能性を信じてあげて。世の中にもそういうまなざしや受け皿が増えることを願います。そしてアロマもサポートのひとつになってくれるといいなと思います。

 www.arbre−aroma.com

 (あいかみ・ゆり、大阪市中央区)