澪標 ―みおつくし―

本を通じてコリアとつながる、ほっとできる居場所を目指して

金 和子
在日コリアン青年連合(KEY)事務局スタッフ
2017年9月22日
コリアンブックカフェ「ちぇっちゃり」の店内

 私の活動する団体「在日コリアン青年連合(KEY)」は、先月末、鶴橋にある事務所をリノベーションし、コリアンブックカフェ「ちぇっちゃり」をオープンしました。韓国語で「チェッ(ク)」は本で、「チャリ」は場所を指します。韓国朝鮮に関する本が読め、ほっとできる居場所になればという思いを込めました。

 当初は、事務所をリノベーションしてより多くの人に開かれた場所にしたい、また、事務所の本棚にある在日コリアンの歴史や哲学についての貴重な本が読まれないまま眠っているので読んでもらえるようにしたい、という思いからでした。とくに昨今デマやヘイトスピーチが多い中、在日や朝鮮半島についてきちんと知ることのできるリソースセンターが在日コリアン当事者にとっても日本の青年にとってもいま必要なのではと考えました。

 そんなとき、週末によく近所のブックカフェに行くというメンバーの声。そこで近年広がっている「まちライブラリー」という取り組みを知り、ベースになっている礒井純充さん著『本で人をつなぐまちライブラリーのつくりかた』を読みました。そうか、本を準備してから来てもらうのではなく、外の人も巻き込んで寄贈を募ればいいのだとヒントを得、在日コリアンにまつわる本、歴史や社会科学だけでなく小説やエッセーなど読みやすいもの、また韓国社会や文化についての本、韓国語の本、絵本、写真集、その他のマイノリティーについての本など、呼び掛けてみると実に多くの方から寄贈が集まりました。現在蔵書は千冊を超え、本棚が足りず、うれしい悲鳴を上げています。

 また、リノベーションにかかる費用は、クラウドファンディングで集めました。初めての試みでどれほど期待できるか想像がつきませんでしたが、ヘイトがあふれる今だからこそ、こうした場所の必要性に多くの方が共感してくれたようです。リノベーション作業も、メンバーの共同作業で手作りの本棚やカウンター設置など、順調に進みました。

 そして先月8月26日(土)、多くの方の協力を得て、「ちぇっちゃり」はオープンしました。メディアの取材等もあり、週末には老若男女いろんな方に来ていただいています。入館・閲覧は無料。300円で柚子(ユズ)茶などドリンクが飲めます。なお、私たちKEYが在日コリアンの地域史や個人史をまとめた『在日コリアンの歴史を歩く−未来世代のためのガイドブック』も読めます。

 ブックカフェにあるたくさんの本を通じて、コリアとつながり、また、さまざまな人生や価値観に触れてもらえればと願うと同時に、私自身、ここからたくさんの出会いや交流が生まれることを楽しみにしています。

 ■コリアンブックカフェ「ちぇっちゃり」

 大阪市天王寺区味原町13の10の2F(JR・近鉄鶴橋駅徒歩3分、地下鉄千日前線鶴橋駅1番出口スグ)、電話06(6762)7261、開館は原則水木金(午前10時〜午後5時)、土(午前11時〜午後5時)、日曜月1回開館。※変更の場合もあるので事前にご確認ください。http://tyettyari.blog.fc2.com/

 (キム・ファジャ、大阪市此花区)