大阪発 癒やしの温泉巡り

和歌山県・高野山温泉「福智院」

2016年12月31日

静寂と安らぎ求めて

三つの浴槽を備える高野槙造りの男性露天風呂に入る今村諒平君
見た目にも美しく、ヘルシーでおいしい福智院自慢の創作精進料理

 2005年に世界遺産に登録された高野山は、八葉の峰と呼ばれ、峰々に囲まれた標高800メートルの山上にある。816(弘仁7)年、弘法大師空海がこの地に真言密教の霊場として開いた。以来1200年にわたって、下界と一線を画した聖地として多くの人々の信仰を集めてきた。山上には117もの寺院が立ち並び、ひとときの静寂と安らぎを求めて、国内外から多くの参詣者を集める。

 開創は800年前にさかのぼり、高野山で唯一天然温泉が湧く宿坊である「福智院」。高野山内にある50カ所以上の宿坊の中でも、約5千坪の敷地に66もの部屋を持つ最大規模を誇り、有名庭師の故重森三玲氏による見事な庭園と創作精進料理が楽しめることでも知られる。

 自慢の温泉は、24時間利用可能な「桃源の湯」と「天女の湯」と名付けられた男女別の清潔感のある内風呂や開放感あふれる露天風呂、そして低温ハーブサウナなど主に高野槙(こうやまき)造りの趣ある浴槽を備える。源泉名は高野山温泉、泉質は単純温泉(低張性・弱アルカリ性低温泉)、源泉温度28・7度(浴用は42度に加温)。神経痛・筋肉痛・関節痛等に効能がある。

 また、仏教の禁制に従い僧侶の日常食である伝統料理にアレンジを加えた「創作精進料理」も味わえる。高野豆腐や金山わさびなど地元の食材を盛り込んだ見た目に美しい料理の数々はとてもヘルシーでおいしい。

 さらに故重森氏による三つの庭園は見事だ。力強い石組みとモダンな地割りで構成され、いずれも昭和の傑作として四季折々の風情あふれる美しさをかもし出す。それぞれの時季に高野山へ参拝や観光で訪れたら、福智院の湯にぜひ入ってほしい。

 (大川哲次・温泉学会副会長、弁護士)

【所在地】和歌山県伊都郡高野町高野山657
【電 話】0736(56)2021
【宿泊料金】1万2960円(1室2人/1泊2食付、税・サービス料込み)〜
【日帰り昼食】入浴=営業時間は午前11時半〜午後2時(要予約、入浴のみ不可)、料金=創作精進料理(4320円〜)、プラス入浴料金(1080円)
【交 通】
・南海電鉄難波駅から高野山駅(特急で約1時間40分、急行で約2時間)、同駅から「奥の院」または「大門」行きバスで7〜8分の「高野警察前」下車すぐ。
・橋本から国道370号線〜480号線で高野山へ。