相羽秋夫のお笑い食べまくり

東京落語 「大男の毛」

2017年12月30日

40年続く友綱ちゃんこの味

相撲部屋の雰囲気いっぱいの店入り口

 商家の旦那、特別大きな体の関取力士を連れ遊郭に行く。玄関から入れないので、2階の障子を開けて入る始末。酒も大きな水瓶(みずがめ)から直接飲む。いよいよ床入りになり、花魁(おいらん)が関取の足を触ると、薪(まき)のようなものがある。「これはなに?」と尋ねると、関取「足の毛だ」。東京落語「大男の毛」の一席。

 昭和のころ、柏原市で八百屋さんを営んでいた荒木剛さんは、大阪東部卸売市場に仕入れに行った折、ちゃんこの材料を買い出しに来ていた大相撲の友綱部屋力士と交流が始まり、それが縁でちゃんこ「三賀(さんが)」を開店した。爾来(じらい)40年、魁輝(元関脇、後の師匠)、魁皇(元大関、浅香山親方)、魁聖(現役・前頭)など、同部屋の人気力士ご愛用の店となった。

 初代亡き後は、息子の龍介・博子夫妻が中心になり、母の幸子さんの協力もあって、どっかりと地元に定着した。友綱部屋風味の鍋は、醤油(しょうゆ)だしの「ちゃんこ」(2千円、全て税別)と「横綱ちゃんこ」(2600円)。それに韓国のコチジャンを使ったピリ辛みそ味の「ピリ辛ちゃんこ」(2千円)と「友綱ちゃんこ」(2800円)の4種類だ。

 付き出しに、寿司(すし)か造りを選ぶ「セット」は3600円と3800円の2コースがある。締めの「雑炊」は400円。宮崎県に親戚がある関係で、都城産の「馬刺し」(1200円)や、同県産ポークを使った「生ハム」(500円)、「ウインナー」(400円)、さらには和歌山・紀州梅鶏(うめどり)の「タタキ」「塩焼(やき)」(共に800円)などの1品にも人気が集まる。

 「生ビール中ジョッキ」480円、広島県産「賀茂鶴」が180ミリリットル450円、鳥取県産の冷酒「超辛口」が同量で700円である。ちゃんこ・付き出し・造りと90分飲み放題の特典(5千円と5500円)が、お勧めである。

 “巍桜(ぎおう)流拳法”の道場を改装した広い店内は、ゆうに80席を超える。そこそこの大男が来店しても、ビクともしない。

(演芸評論家)
ちゃんこ「三賀」
大阪府柏原市本郷3の4の5
072(972)0214
午後5時〜同11時
月曜休(祝日の場合営業)
予約可