来阪catch

井の頭公園100年を記念

映画「PARKS パークス」
監督 瀬田なつき
2017年4月23日

公園の過去と現在−その先に

「最後は踊ってもらえるような映画に…」と話す瀬田なつき監督=大阪・福島のABCホール
「PARKS―」の(左から)染谷将太、橋本愛、永野芽郁=(C)2017本田プロモーションBAUS

 東京・井の頭恩賜公園の開園100周年を記念した映画「PARKS パークス」(boid配給)が5月6日からシネ・リーブル梅田で公開される。橋本愛(21)と永野芽郁(17)が主演した青春音楽映画で「多くの人が集う公園の過去と現在、その先に思いを重ねて一つのドラマにした」という瀬田なつき監督(37)に話を聞いた。

 瀬田監督は大阪出身で横浜国立大学へ進み、東京芸大大学院映像研究科で学び「?つきみーくんと壊れたまーちゃん」(2011年)で長編デビューした。東京・吉祥寺にあった映画館「バウスシアター」が14年に惜しまれながら閉館して、オーナーだった本田択夫さんが「映画館の終わりを映画の始まりにしたい」と企画したのが「PARKS−」だ。

 「プロデューサーからオファーがあって井の頭公園を舞台にした劇映画をという事だった。横浜黄金町を舞台にした『5Windows』(12年)という映画を撮ったことがあり、何か結びつくものがあり引き受けた。大きな公園を舞台に過去と現在、そしてその先の未来を一つのドラマにした脚本を書いてスタートした」

 自転車に乗った若い大学生の純(橋本)が、桜満開の公園の中を走るシーンから映画は始まる。近くのアパートに住む彼女は、恋人と別れ、大学を留年しかかっている。そこへ、見知らぬ高校生のハル(永野)が訪れ、死んだ父親と親交があった女性がここに住んでいたという。「50年前のロマンスを巡って純とハルが調査を始め、1本のオープンリールを発見し、それに吹き込まれていた2人の歌声を聞いてもう一つの物語が紡がれる」

 50年前はちょうど東京オリンピックがあった1964年頃。「公園の中の池の底に沈んでいるものを浮かび上がらせるような感じで、亡くなっているロマンスの相手の佐和子(石橋静河)を登場させるなど、時間を重層的にしながらドラマを展開させた。佐和子の孫役で染谷将太さん(24)がそこへ入ってくる」

 染谷は瀬田監督の「?つきみーくん−」にも出演しており、橋本、永野、石橋らの間に入ってチームのいい潤滑油になった。ちなみに石橋(22)は石橋凌と原田美枝子の娘である。「映画は音楽の中で展開し、音楽家のトクマルシューゴさんに多くの曲を書いていただき、ゆかりのミュージシャンや公園と吉祥寺の地元の多くの方にも参加してもらって、ライブシーンになだれ込んでいく。もちろん、閉館したバウス前でもロケを行い、映画に現実を重ねてオマージュをささげた」

 井の頭恩賜公園は5月でちょうど開園100周年。映画公開と重なって、訪れる人が増えるのではなかろうか。「ある意味、公園が主人公で、俳優さんのドラマと共に心地いい風を体感してもらえたら」と瀬田監督はほほ笑んだ。