来阪catch

好奇心で始まった

映画「ユリゴコロ」
主演 吉高 由里子
2017年9月23日

殺人者の闇と闘いながら…

「たくさんの映画館で公開されるので心配…」と話す吉高由里子=大阪市北区の東映関西支社
吉高由里子=(C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

 故蜷川幸雄が監督した映画「蛇にピアス」(2008年)で女優賞を数多く受賞した吉高由里子(29)が5年ぶりに映画に主演した「ユリゴコロ」(熊澤尚人監督、東映・日活配給)が23日から、大阪ステーションシティシネマほかで公開される。吉高は殺人者の闇を抱えたヒロインを演じ「好奇心で始まり、闇との戦いになった」と撮影を振り返る。

 吉高は園子温監督の映画「紀子の食卓」(06年)で女優デビュー。「蛇にピアス」では大胆な演技に挑戦して日本アカデミー賞新人賞ほか多くの映画賞を受賞し話題を集めた。「婚前特急」(11年)「僕らがいた全編・後編」(12年)などで好演し、NHK朝の連続テレビ「花子とアン」(14年)のヒロインを演じたのも記憶に新しい。

 「殺人者の闇を描いた大人の映画ということで、好奇心もあってやることにした。監督から原作を読まないで自分の役どころを作ってほしいと言われた。ヒロインの美紗子は殺人者で、子どものころからその闇を背負っている。肯定してはいけない役で、さてどうしようと…」

 物語は子どものころ友だちを殺した体験から始まり、大人になってもその闇を引きずって、さらに深みに入っていく。「ある町で一人の男性・洋介(松山ケンイチ)に出会い、ぬくもりを共有し一時的に救われるが、心の闇は消えない。ラブストーリーで、サスペンスのエンタメ作品。メジャーな原作であり、これが多くの映画館で公開されるわけで、今はとてもプレッシャーがある」

 暴力的なシーンも多い。「足で蹴ったり、ナイフで刺したりする演技があって、相手の人に本当にケガをさせたらどうしようと気を遣った。洋介の松山さんとベッドシーンもあって、撮影はCGを使うというのでセットの後ろがブルーバックに。その時どうなっているのか心配だったが、出来上がりの映像を見て、安心した。性的に?きだしではなくきれいに仕上がっていた」

 撮影中一番大事にしたのは「目に生きる性(さが)をにじませること」だった。「しんどかったけど、好きなテーストではある。明るい恋愛映画もいいけど、ヒリヒリ、モリモリの血のりが出てくる映画も悪くない。洋介の前で美紗子が死のうとするクライマックスのシーンは精神的に辛かったけど、松山さんが上手にリードしてくれ、監督に追い込まれてやることができた」

 天候に恵まれない中、群馬県での撮影だったが「その分映画の世界に集中できたのかもしれない。20代後半で、命削ってやったという思いがある」。映画は「自分の時間が2時間にまとめられる。いいところを切り取って作品に反映される」から好きだという。

 ユリゴコロは「よりどころ」の意がある。「私のよりどころは、家の中で、下を見て歩くこと」