フィギュアスケート企画

国内外のコーチに支えられ

2012年9月11日

町田 樹

コーチについて話す町田樹

 関大を休学し、スケートに専念している町田樹。先シーズンは、四大陸フィギュアスケート選手権でパーフェクトな演技をするなど、近年の飛躍は著しい。今回は町田樹をクローズアップし、コーチの秦安曇氏の話を交えて5回にわたって連載する。

 (ライター・黒尾順子、写真撮影・森田正美)

 新松戸アイスアリーナ(千葉県松戸市・2002年に閉鎖)の近くに住んでいたことから、スケートを始めた。「4歳の時、なんとなく家族と遊びに行って。それからすぐにスケート教室に入りました」。その後、小学4年で広島市に引っ越し、現在の秦安曇コーチと出会った。「先生とはもう13年になります。一緒に試行錯誤してやってきました。自分のことを一番よく知ってくれているので安心できる。そのうえでプロデュースしてくれるので、心から頼りにしています。関大へ入学したときに一時期離れていたのですが、2年前に大学を休学してから、また先生と一緒にやっています」

 11年シーズンから町田は関大を休学して、ロサンゼルス郊外のレイクアローヘッドに拠点を移した。「高校2年生のときに、レイクアローヘッドのサマーキャンプ(夏の合宿)に行ったのがきっかけです。環境が良かったので、2年前から本格的にアメリカで練習しています。アンソニー・リュウ先生とも、もう6年くらいの付き合いになりますね」と町田。「先生はオリンピックに2度出場したり、世界選手権に7度出場したり、たくさんの経験を僕より持ってるので、具体的なアドバイスをしてくれます。ジャンプやスケートスキルのほかに、トップスケーターとしての態度、振る舞いや練習の仕方まで指導してくれる」と信頼は厚い。

 アンソニー・リュウ氏は中国出身の元男子フィギュアスケート選手で、アメリカ(レイクアローヘッド)を拠点とする指導者。1998年長野、02年ソルトレークシティーオリンピック出場という輝かしい戦績も持つ。その長野オリンピックでの演技を、町田はリアルタイムで見ていたという。「もちろん、そのときのスケーターに師事することになるなんて。人の縁ってなんだか不思議ですね」と表情が崩れた。

 国内外のコーチ体制になって、町田の飛躍は著しい。技術的にも精神的にも大きく成長した。「先シーズンは世界で戦うためにすべきことが見えてきた。手応えを感じながら、さらなる課題も見つけたので、今シーズンはそれを克服していこうと。グランプリ・シリーズに2戦出場(アメリカ大会と中国大会)するので、このチャンスを生かしてステップアップしたいと思います」。町田の視線はまっすぐに前を向いた。

 【プロフィル】町田樹(まちだ・たつき) 1990年3月9日生まれ、川崎市出身、22歳。倉敷翠松高校卒、関大。