日曜インタビュー

一心同体で生きている

映画「ドラゴンボールZ 復活の『F』」
主人公 孫悟空 野沢 雅子
2015年4月12日

アニメ文化を担って…

「フリーザは嫌いだけど、悟空と闘う相手では一番」と話す野沢雅子=大阪市北区の東映関西支社
(C)バードスタジオ/集英社(C)2015「ドラゴンボールZ」製作委員会

 1984年に少年誌連載が始まり、86年からテレビアニメシリーズがスタートした「ドラゴンボール」で主人公・孫悟空の声を今日まで演じ続けている野沢雅子は“声優界のレジェンド”といわれる。18日から全国公開される劇場版第19作「ドラゴンボールZ 復活の『F』」(東映配給)に臨んだ「悟空/野沢」に話を聞いた。

■初の鳥山脚本

 −「ドラゴンボール」は長く続いている。

 特に映画版「ドラゴンボール」シリーズには特別な思い入れがある。第1作から約30年がたち、今回は原作者の鳥山明先生が初めて脚本も書かれた作品で、もう一度ゼロから考えて作られたのでとても面白くパワーアップされおり、いつもより力が入った。

 −悟空の相手はよみがえった最大の敵・フリーザ。

 前回の「神と神」で破壊神ビルスとものすごい闘いを繰り広げたが、今回はそれをはるかに超えている。私はフリーザが大嫌いなのだが、悟空が闘う相手としては最高で、なくてはならないやつ。彼は強くてわがままで憎たらしいけど、平和を願って強くなるため修業している悟空にとって一番の相手として認めている。

 −フリーザと闘った感想は?

 いつもそうだけど、私は台本を読まずにアフレコのスタジオに入る。そこで初めて誰と闘うかを知り、「こいつか!」と思う。その方が新鮮でより臨場感が出るような気がするし、生体験できる。フリーザの声の中野隆聖さんが隣にいるが、見ないようにして、スクリーンに映し出される線画の映像の主人公の中に入っていく。

■フリーザとバトル

 −まだ線画の段階でアフレコを?

 完成した映像の時もあるが、大体まだ線画の段階で声を入れることが多い。バトルのシーンは特にそうで、激しい動きがそれで伝わってくるし、思わず声をあげてその闘いに身を委ねていく。合間に隣のフリーザの中野さんが「あの〜、雅子さん」と遠慮がちに声をかけてくるときもあるが、あまり相手にしない。普段は仲がいいのだけど。

 −悟空の魅力は?

 隣のお兄ちゃんという感じの親しみやすさじゃないかな。ハンサムではないし、庶民的なルックスで声をかけやすいところ。すぐに人前で「いてえ!」「またやっちゃった」って言うでしょ。そそっかしいところと、あっけらかんとした性格は私にも似ている。長くやっているだけではなくて、本当に「一緒に生きている」というほど、スタジオに入ると「一心同体」になれる。

 −原作者の鳥山さんから今回話は?

 いつも特に何もおっしゃいませんが、前作の「神と神」のとき、対談の機会があって、その時に前から聞きたかったことを尋ねた。悟空の声はオーディションを受けてやることになったが「鳥山さんが決めたという話は本当ですか?」と。そうしたら、誰の声か知らずに聞いて「イメージにぴったり。これだ!」と即断したとおっしゃった。うれしかった。

 −女性が少年の声を務めるのも最初だったのでは?

 男性の大人では少年の声は難しいのと、少年の声優がいなかったので、回ってきたと思う。それでも最初のころは「声優」といわれるのが嫌なときがあった。昔は「本業は舞台女優です」とか言っていたが、今では胸を張って「声優です」と言える。だって、アニメは日本の文化だし、その文化を担っているのだから。

■ゼロから作る

 −少年以外にやってみたい役は?

 私に美女の役は回ってこないし、来てもやらない。(笑)ただ「眠れる森の美女」で妖精の役を頼まれて困っている時、それがおばあさんの妖精だったのでやったことがある。洋画の吹き替えで「ネットワーク」のフェイ・ダナウェイをやったことがあり、彼女は演技がうまくてやりやすかったのを覚えている。アニメの仕事はゼロから作れるし、子どもたちに夢を届けられるから大好きです。

のざわ・まさこ 東京都出身。3歳で映画デビュー。舞台女優で活躍しながら「鉄腕アトム」などで声優を始め、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎、「銀河鉄道999」の星野鉄郎、そして「ドラゴンボール」シリーズの孫悟空で人気を集め当たり役に。息子の悟飯、孫の悟天の声も務めている。声優界のレジェンド。


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