旅ばな

 外資系シティーホテル、大型リゾートホテルなどの総支配人を経て、現在、ホテル・旅館プロデューサーとしてホテルの再生・運営を主に活動する吉武英行が、旅のエピソードや宿での失敗談、宿の上手でお得な利用の仕方などを連載します。

コンシェルジュに見るホテルクオリティー

2018年6月18日
満足度アップにはスタッフの“おもてなし”が大切

 コンシェルジュの語源はあるが、現在では主にホテルでゲストサービスに努める「よろず相談役」として、ホスピタリティーの最前線で働いているスタッフの職種を呼んでいる。ホテルは器が素晴らしくてもそれだけでは満足感は得られない。

 ホテルサービスとは? 広い視野でホテルを見つめた時、快適と思えるホテルには必ず温かで一途なスタッフのもてなしがある。ホテル業界の中ではコンシェルジュの存在は当たり前になっているが、実際の利用者からは日本のコンシェルジュの認知度はまだ低いのではないだろうか。

 例えば旅館の女将(おかみ)や仲居さんたちのプライベートサービスの精神を持ち、イギリスで発展したバトラー(執事)のようにゲストにとことんつくすサービスの職種であるといえる。

 日本では専門職であるコンシェルジュを必要としないホテルも多く、お客さまのご要望に全力を尽くすというコンシェルジュの精神に対し「過剰サービス」ではないかという会社側とのギャップ。ボランティア的なサービス部門だけに、直接はっきりと数字に反映されることがなく難しいことも多い。

 日常の一部始終はすべてコンシェルジュに相談する。タイトなスケジュールで動いているビジネストリップでは、情報の豊かさとネットワークを駆使して助けてくれるコンシェルジュの存在はありがたい。

 皮肉なもので、ホテルが最新鋭の設備に囲まれ、ハイテクや未来型になればなるほど、グローバルサービスの基本には「人を介するサービスが大切」という聞き慣れた言葉が使われている。コンピューターやハードは古くなればさびるが、人は時がたてば経験が積める。世界では以前にも増して、サービスのテーマは「人」とする傾向にある。

 (ホテル・旅館プロデューサー)