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自転車用品のオージーケー技研
2018年6月13日

「ふたごじてんしゃ」開発  「一緒に公園へ」実現

試作した中原製「ふたごじてんしゃ」に笑顔で乗る中原さん親子
オージーケー技研で製品化した「ふたごじてんしゃ」。幼児2人同乗基準適合車(BAA)認定を受けている。

 自転車用品を開発するオージーケー技研(大阪府東大阪市)は、6歳未満の双子や年子の幼児2人を乗せて公道を走ることができる幼児2人同乗用三輪自転車「ふたごじてんしゃ」を開発した。5月31日に発売した80台は即日完売し、現在は3カ月待ちの状態。圧倒的な支持を得た「ふたごじてんしゃ」の実現の影には、双子の育児に悩んだ母親の奮闘があった。

 「ふたごじてんしゃ」は「自転車及び歩行者専用」標識のある道路を走行できる普通サイズの自転車。低速走行で高い安定性を発揮し、子どもたちとゆっくり話しながら移動するには最適だ。

 いしころくろ色、もみのき色、あおぞら色の3色で、ネーミングには子どもたちと楽しく外出したいと奮闘した双子の母親、中原美智子さんの思いがつまっている。

■外出制限で閉塞感

 中原さんは大阪市在住で、2010年に双子を出産。双子用のベビーカーはあっても自転車が手に入らず、外出が制限されて「閉塞(へいそく)感という言葉がぴったり」だったという。

 「自転車で公園や児童館に行きたい」という思いを持つ母親は多いはずだと考えた中原さんは11年、双子を安心して乗せられる「ふたごじてんしゃ」を自ら企画。メーカーに断られ続け、リヤカーメーカーの協力で試作品1号機が完成したのは14年だった。

 中原さんは大喜びしたが、製品化に進むには「市場規模は小さくても、双子ママの気軽に外出したいという願いに意義がある」と考えるオージーケー技研との出合いを待つ必要があった。827人の母親が試乗した要望を取り入れ、2年間の開発期間を経て、今年5月末の発売にこぎ着けた。

 「10分の試乗のために1時間半かけて来てくれたお母さん、前泊してくれた人もいる。これで耳鼻科に通えると言ってくれた人も」と感激する。

■安全性に十分配慮

 「ふたごじてんしゃ」は、カーブ時に車体が傾き、通常の自転車の乗り心地に近づく「スウィング」、コーナリング時に左右のタイヤの回転差を調整してスムーズに曲がる「デファレンシャルギア」を装備。Vブレーキとディスクブレーキで高い制動力を実現した。価格は12万円。別売のチャイルドシートが1台1万5千円で、2台付けると計15万円。

 「子どもたちを愛するママ」たちの声に応えるために購入前に診断も実施し、「ふたごじてんしゃ」に合わない人には別の手段を提案する。自転車を売ることが目的ではなく、「自分らしく安心して子どもと出かけられる」母親が一人でも増えることが目的だ。