岡力の「のぞき見雑記帳」

千里山神社

2017年10月2日

吉本興業創業者ゆかりの名所

ろうそく立てには「吉本興業合名會社 吉本勢」と記されている

 輝く女性創業者の一代記を描くNHKの朝ドラ。今秋から吉本興業の創業者である吉本せいをモデル・モチーフとしたドラマがスタートする。明治から昭和にかけてどのように「笑都・大阪」を創り上げていくのか注目したい。

 吉本興業と言えばミナミの街をイメージするが、北摂地域とのゆかりも深い。

 大正9年、果樹園があった丘陵地を切り開き英国のレッチウォーレスをモデルに開発した吹田市・千里山住宅地。阪急電鉄千里山駅より徒歩数分の高台には由緒正しき千里山神社がある。大正15年、伏見稲荷から末広大神を勧請(かんじょう)。古くから地の神である春姫(白龍神)と合祀(ごうし)し地域の氏神様として親しまれている。

 昭和初期、この地に吉本せいが石製のろうそく立てを寄贈している。きっかけは、数年前にさかのぼる。雨の夜、白装束の女性がこの地を開発した住宅会社を訪れ「能勢の妙見さんで修業をしていたが春姫さんのお住まいを探して当地へきた」と言う。その話を聞き千里山住宅を案内すると、千里山神社の赤い鳥居を見てここがその地であるとお告げがあり塚をつくりお祀(まつ)りした。その女性は、花菱アチャコの相方だった千歳家今男の奥さまだった。

 その縁がきっかけで吉本興業とつながる。千里山神社奉賛会、会長の藤木祐輔さんにお話を伺った。「霊験あらたかな神社として地域に愛されております。この地から出征した兵隊さんの生存率が高く、多くの芸能人も験担ぎで訪れました。その話を聞いた吉本せいさんがろうそく台を寄贈してくださいました」。現在も多くの芸能人や関係者がこの地に住んでいる。

 ゆったりとした空気が漂う閑静な住宅地の一角に、「笑売繁盛」を祈念するパワースポットがある。

(コラムニスト)

 ■出典「市報すいた わたしたちの町〈8〉千里山西かいわい」、「千里山70年のあゆみ」【発行】千里山自治会(平成2年)