鳥取市 記録的豪雨 台風7号、佐治で511ミリ観測【動画】

 台風7号は15日夕方から夜の初めごろにかけて鳥取県に最接近し、県内は猛烈な雨に見舞われた。早朝から県東部を中心に線状降水帯が発生。気象庁は大雨特別警報を発令し、同日夕方には八頭町の私都(きさいち)川が氾濫した。同町の一部と鳥取市と琴浦町で最も警戒を要するレベル5の避難情報「緊急安全確保」が発出された。同市の佐治川ダムも初めて緊急放流を行った。午後7時現在、人的被害の報告はない。16日も引き続き土砂災害などへの警戒が必要となる。

河川洪水予報
避難情報
土砂災害警戒情報
河川監視カメラ(鳥取県防災情報システム)
雨雲レーダー(鳥取県)

 鳥取地方気象台は、15日早朝から午前8時までに鳥取市や八頭、三朝町などで1時間当たり90~100ミリの猛烈な雨が降ったとして記録的短時間大雨情報を発表した。鳥取市内では竜巻も発生したとみられる。

 同日午後9時10分までの24時間総雨量が県内で最も多かったのは鳥取市佐治町で、観測史上最大の511ミリを記録。このほか同市鹿野町で470・5ミリ、智頭町で306ミリ、倉吉市関金町で227ミリ、鳥取市吉方で214ミリを観測した。鳥取市吉方と智頭町でも、観測史上最大の24時間総雨量を更新した。

 降り続く雨の影響で河川やダムの水位は急激に上昇した。夕方に八頭町の私都川が氾濫し、県道の路肩が崩れるなどの被害が出た。佐治川ダムは貯水量の基準値を超えたため、午後4時40分に緊急放流。佐治川の水位上昇により同川に架かる鳥取市佐治町の高山橋の一部が崩落、下流の同市用瀬町の国道482号の路肩もえぐり取られた。

 鳥取市では午後10時半現在、佐治町12集落、河内、国府町雨滝の計14集落(計494世帯1053人)が孤立状態となっている。

 県内では鳥取市全域(8万1915世帯18万1859人)、八頭町の上私都・中私都地区(計449世帯1160人)、琴浦町全域(6789世帯1万6237人)で緊急安全確保が発令され、倉吉市全域と三朝町全域に警戒レベル4の「避難指示」が出た。鳥取市や三朝、伯耆町で停電も発生。午後8時現在、県内94カ所の避難所に148人が避難している。

 鳥取空港の発着便は、鳥取発の始発便を除く9便全便が欠航。JR山陰線や伯備線などの特急列車は終日運休となった。16日の鉄道ダイヤも乱れ山陰線や因美線、伯備線、若桜鉄道も終日運休の予定。境線と智頭急行は通常運転の見込み。

 道路規制も相次いだ。鳥取道や山陰道鳥取西道路は全面通行止め。少なくとも県東部の国道を含む道路9カ所が通行止めとなった。

 県は15日夜、鳥取市と三朝町に対する災害救助法の適用を決めた。(取材班)

 
 
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