漁師との会話、方言が大きな壁 インドネシア人漁業技能実習生向けテキスト作成 新温泉町

「荒れとった」など標準語と比較

 漁業に従事するインドネシア人技能実習生と日本人漁師との円滑なコミュニケーションを手助けしようと新温泉町は、地元の方言などを学ぶテキストを独自に作成した。外国人にとって聞き取りが難解な方言の特徴や場面ごとの使われ方などを、分かりやすくまとめている。

 同町によると、技能実習生など町内で漁業に携わるインドネシア人は今月1日時点で43人。沖合底引きや沖合イカ釣り漁に従事している。

 実習生は入国前後に約2カ月間、受け入れサポート機関による語学研修を受けるが、学ぶのは標準語であるため、同町内の日本人漁師との会話では、言い回しやイントネーションが異なる方言が大きな壁となっていた。町内では、これまでも町民らが実習生に方言を教えてきたが、テキストなどの教材はなく、船主から支援を求める声があった。

 作成されたテキストはA4判、21ページ。海が「荒れていた」が「荒れとった」となるなどの標準語と方言の比較のほか、伝達や謝罪、命令、注意といった場面ごとの使い方、インドネシア語の翻訳文や演習問題などで構成。今年3月に完成し、すでに1、2年目の実習生に配布した。浜坂漁協が行う研修で活用している。

 作成を担当した同町農林水産課の松本晃副課長は「仕事に慣れる上で言葉は一つのハードル。実習修了後もまた浜坂や諸寄の船に乗りたいと思ってもらえるようにしていきたい」と話している。

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