学芸員労作 全160駅パネル 日本一長い在来線 山陰線の企画展

 日本で一番長い在来線、山陰線に焦点を当てた企画展「レッツゴー!山陰本線」が、米子市中町の山陰歴史館で開かれている。山陰線全区間(京都-幡生、673・8キロ)の歴史を貴重な資料で紹介。中でも目を引くのが、同館の学芸員が10日がかりで現地を訪れて作成した、全160駅(支線を除く)の過去と現在を紹介するパネルだ。

 山陰線は京都市から兵庫県北部、鳥取、島根両県を経て山口県下関市に至る路線。今年は全線開通90年の記念の年に当たり、その歴史に光を当てようと同館が企画した。

 全駅紹介パネルは京都から幡生まで壁伝いに一駅ずつ並び、一つずつ眺めていくと、まるで各駅停車の列車に乗っているかのよう。博物館などから借りた旧駅舎の写真のほか、学芸員が7、8月に全駅を巡って撮影した今の駅の姿も収められている。

 1975~82年ごろに鳥取駅で使われた時刻表看板(鳥取県立博物館蔵)には、木次線経由の広島行き急行「ちどり」、熊本行き「さんべ」、博多行き特急「まつかぜ」、京都行き夜行「山陰」など懐かしい列車の名前も。特急「はまかぜ」「あさしお」「やくも」のヘッドマークや、大正~昭和に販売された駅弁の包装紙も興味深い。

 上井駅(現・倉吉駅)の駅名板を熱心に眺めていた倉吉市福庭町の税理士、中村浩之さん(63)は「この駅で倉吉線に乗り換え高校まで通った。当時がよみがえってきた」と懐かしんだ。

 11月5日まで(火曜休館)。入館料300円。4、5両日は山陰線の新旧列車をテーマに鉄道模型の展示運転がある。

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