杉谷神社、加知弥神社、宇倍神社 国有形文化財に 文化審答申

  • 装飾を抑えながらも端正な意匠が見られ、明治中期から昭和前期にかけて紙幣の図柄にもなった宇倍神社の社殿=22日、鳥取市国府町宮下の宇倍神社
  • 100年前の標準的な造りながら、他地域に先駆けた手法も用いられている杉谷神社の本殿=21日、鳥取市気高町日光
  • 因幡地方では類を見ない独特の様式がみられる加知弥神社=22日、鳥取市鹿野町寺内

 国の文化審議会は24日、鳥取市気高町日光の杉谷神社(本殿、拝殿と幣殿(へいでん))▽同市鹿野町寺内の加知弥神社(本殿、拝殿、随神門(ずいしんもん))▽同市国府町宮下の宇倍神社(本殿、拝殿、透塀(すきべい)、神門)-の3件(計9棟)を国登録有形文化財(建造物)にするよう盛山正仁文部科学相に答申した。

 杉谷神社は日光集落の小高い山の中腹にあり、本殿は1915年(大正4年)、拝殿と幣殿は16年(同5年)に建てられた。本殿は、屋根を前方に流れるように銅板を組み合わせる「一間社流造」や、柱の見える部分を丸く削る手法など当時の神社仏閣の標準的手法で建築されている。

 一方で、当時主流ではなかったセメントやタールの使用、火打梁(はり)の採用など他地域に先駆けた手法も用いている。100年以上前の神社建築では現存しているのが珍しい設計図や仕様書なども見つかっており、建築施工技術の歴史的推移や文化を読み解くことができると評価された。

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