地域のソウルフードを子どもたちに受け継いでもらいたいと、今年復活した境港市のご当地パン「伯雲軒のブドーパン」が12日、同市湊町の境小に贈られた。同校を皮切りに毎月1校ずつ、市内全小学校に贈られる。
寄贈したのは、同市内で70年以上にわたってブドーパンを製造した旧伯雲軒から事業承継し、復刻販売を始めた菓子製造会社「八雲ことぶきフーズ」(松江市八雲町)。全校児童251人分と教職員用の計283個を届けた。
贈呈式には同社社員と旧伯雲軒経営者の山本敏則さん(68)が出席。同校の卒業生でもある山本さんから児童を代表して受け取った6年の花本和音さん(12)と高嶋泰暉さん(11)は「ブドーパンは好きなので、味わって食べます」とお礼を述べた。
伯雲軒のブドーパンは、柔らかいパンにラム酒入りのバタークリーム、干しぶどうが入っており、シナモンの香りが特徴。1960年代からしばらく市内の幼稚園でおやつとして提供されていたという。
八雲ことぶきフーズの神藤優斗さん(32)は「復活と同時に配布したかったが、ようやく生産が軌道に乗り、実現した。小学校の次は市内の中学校にも届けたい」と話した。