県議選倉吉市・東伯郡選挙区 のるかそるかの一発勝負

中部本社総局長 小谷 和之

 任期満了に伴う鳥取県議選(3月31日告示、4月9日投開票)の注目は、倉吉市(定数3)と東伯郡(同3)の2選挙区だ。お決まりに言えば「定数1超の少数激戦」だが、その“中身”は混沌(こんとん)としている。立候補予定者、陣営は胃がきしむような戦い。両選挙区の構図を整理し、票の行方を推察してみる。
 倉吉市選挙区は立民現職の興治英夫(66)=5期、自民現職の川部洋(57)=2期、無所属現職の由田隆(70)=1期=に、元同市議で無所属新人の鳥羽喜一(31)―の面々。労組票などを背景に安定した戦いに持ち込みたい興治、自民公認を武器に上積みを狙う川部、元市長で義兄の長谷川稔の支援を受けて活動量が先行する由田、2年前の同市議選で過去最多得票をたたき出した鳥羽の四者入り乱れての戦い。
■票の縄張り
 焦点は、鳥羽がどこから票を取ってくるか、どの程度伸ばすか―。興治、川部、由田の票はそれぞれ“すみ分け”されているとみられ、現職間で票の往来が頻発することは考えにくく、現職3人は新人の票の出方を注視。中でも、国政選挙を除く同市でのローカル選挙で動く自民系票は8千~1万前後が妥当な線とすれば、自民公認の川部と推薦の鳥羽による集票面での“仁義なき戦い”になる可能性も秘める。自民側は「倉吉で2議席」を掲げるが票の振り分けは難しく、衆院議員石破茂の後援会幹部は「『人が入れ替わって終わった』では意味がない」と現状を分析する。
 そして前回選(2019年)で現倉吉市議の朝日等治が関金エリアを軸に獲得した3320票、元県議の村田実が得た1500票余が4人の誰に流れていくかも優劣を左右。同時に3500票前後とみられる公明票の濃淡がどのような形で表れてくるかも注目だ。
■ぶんどり合戦
 倉吉よりも難解なのが東伯郡選挙区。立民現職の伊藤保(70)=6期、自民現職の語堂正範(44)=1期、いずれも無所属新人で自民の推薦を受ける元警視庁SPの石丸徳幸(57)と元湯梨浜町議の入江誠(62)の4人。自民系3人にとっては、同党参院議員に転身した藤井一博(45)が獲得していた約1万2千票の“ぶんどり合戦”となる。藤井の後援会関係は実質的に自主投票で、藤井自身も自民系3人には“等間隔”を保つ。
 前回選は地域性に偏りが生じたが、今回は琴浦、北栄、湯梨浜3町からの出馬。自民系3人をさらに細分化すれば旧赤碕、旧大栄、旧羽合での集票をベースに町単位の「じげ票」を固められるかが鍵を握り、空白の三朝町にどの程度入り込めるかが勝負の分かれ目。運動会に例えれば町別対抗の“玉入れ競争”だ。
 労組票を下支えに伊藤は安定の戦いを繰り広げそうだが、語堂、石丸、入江の自民系3人は組織力や知名度でそれぞれ決め手に欠く。地域がまとまれば「一抜け、二抜け…」と優劣が見えてくるが現実は複雑だ。
 現職の一人は冷静に分析する。「“1強”がいない故に、各陣営とも票は読めないはず。だんごの横一線と見るのが妥当」
 選挙は国政、地方を問わず投票率低下が著しい。県議選の県中部2選挙区は有権者の投票行動がダイレクトに反映される戦いとなるのが確実。棄権するのはもったいない。
(敬称略)

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