創刊140周年を迎えて “歴史の証人”これからも 新日本海新聞社社長 吉岡 徹

 日本海新聞はきょう6月28日、創刊140周年を迎えることができました。これもひとえに県民、読者の皆さまの温かいご支援、ご愛顧のたまものであり、心より厚くお礼申し上げます。

 日本海新聞の源流は1883(明治16)年6月28日に発行された「山陰隔日新報」です。鳥取県の“歴史の証人”として、明治、大正、昭和、平成、令和と五つの時代を県民の皆さまと共に歩んでまいりました。

 1975(昭和50)年には休刊に追い込まれましたが、「郷土紙の灯を絶やしてはならない」との県民、読者の熱い思いに応えて、翌76年には新日本海新聞社が題字と号数を引き継ぎ、再び郷土の歴史を刻んできました。今年は米子市の西部本社設立40周年、倉吉市の中部本社設立30周年とも重なりました。県民、読者の皆さまに、あらためて感謝を申し上げます。

 現在、地方は人口減少が急速に進み、山は荒れ、農村はすさみ、私たちの当たり前の暮らしが危機にひんしています。特にここ数年は、これまで経験したことがない新型コロナウイルス感染症の流行に苦しみ、傷ついた経済や社会は、ようやく平常を取り戻そうと回り始めたところです。

 こうした中、山陰道の全線開通が目前に迫り、境港へのクルーズ客船の寄港をはじめ、交流人口の拡大へ向けた明るいきざしが見え始めています。スポーツの分野では、2021年東京五輪で鳥取県勢初の金メダルに輝いたボクシング女子の入江聖奈さんに続けとばかりに次世代が育ち、「令和の怪物」の異名を誇る倉吉市出身の大相撲力士、伯桜鵬(落合)関の新入幕も決まりました。

 変化が著しい時代だからこそ、ぶれない地元密着の視点を持つ郷土紙が求められていると自覚し、読者の皆さまに寄り添い、積極的に言論を発信してまいります。新聞業界を取り巻く環境は厳しいですが、本紙は紙面だけでなく、5月下旬からホームページもリニューアルし、情報量を大幅に増やしています。併せて提供する電子版のサービスも、「読みやすい」と好評をいただいています。

 この先も、全社員がオピニオンリーダーとしての初心に立ち返り、地域の皆さまに貢献できる新聞作りに努めてまいります。今後とも一層のご愛顧、ご愛読を賜りますようお願い申し上げます。

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