寄付で誕生した大阪府立中之島図書館が、寄付によって新型コロナウイルス対策を充実させている。学生時代に頻繁に利用した経営者が、恩返しにと高機能空気清浄機を無償提供。自身の立場に応じ、できることを社会に還元する「寄付の文化」が脈々と受け継がれている。
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中之島図書館に設置された高機能空気清浄機=大阪市北区 |
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感謝状を受け取った北内社長(中央)=府庁 |
中之島図書館は、住友家第15代当主の住友吉左衛門友純の寄付で誕生。その後も寄付によって増築や蔵書の充実が行われた。
新型コロナウイルス禍では、3密を避けるため、座席数を減らしたり、窓や扉の開放による館内換気といった対応を実施しているが、今秋、除菌脱臭機能のある高機能空気清浄機が3台設置された。
新型コロナ対策で苦心していると聞いた、北内克己・共栄電機社長が寄付。学生時代に自習室をよく利用していたため、「できることを」と考えた結果、自社で扱っている機器の無償提供を決めた。
1台当たり100万円余りで、今後のメンテナンスをはじめ、フィルターといった消耗品の供給にも対応するという。
同図書館は、人の出入りの多い3カ所にそれぞれ機器を設置。新型コロナ感染拡大が「第3波」の様相を呈する中、担当者は「より慎重に対策を講じなければならないところ、部屋の環境改善に大きく寄与していただいた」と喜ぶ。
16日には、府が感謝状の贈呈式を府庁で実施。北内社長は「中之島図書館は歴史のある建物だが、その分老朽化もある。何かお役に立てないかと思った」と話し、酒井隆行教育長は「利用者に、より安心して利用していただける」と感謝の意を示した。
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