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除災招福も頼んます 十日戎本えびす

2021年1月11日

 「除災招福」「疫病退散」「無病息災」も頼んます−。新春に商売繁盛などを祈願する年頭恒例の祭礼「十日戎(とおかえびす)」が10日、「本えびす」を迎えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、各地の境内では参拝者が朝から分散で訪れ、授与所では奉仕者と参拝者の間に飛沫(ひまつ)防止のビニールシートが設置されるなど、例年のにぎわいとは違う「本えびす」となった。

「ひょっとこ」や「おたふく」の面をつけて舞う「しころ」の奉納=10日、大阪市北区の堀川戎神社
新型コロナ禍を受けて人気を集めた疫病退散の祈りを込めた「張り子の虎」=10日、豊中市の服部天神宮
コロナ対策で、銅鑼が封鎖された本殿裏=10日、大阪市浪速区の今宮戎神社

“福の大入り”を 飛沫防止し「しころ」奉納 堀川戎神社

 ○…大阪市北区の堀川戎神社では、「十日戎宝の市神事大祭」に続き、「しころ」の奉納を行った。関西演芸協会の会員が「ひょっとこ」や「おたふく」の面をつけ、三味線や太鼓の演奏に合わせて、「大入り」の字の形になるように踊った。残り福の11日にも午前10時〜正午に実施。

 商売繁盛の神「蛭子大神(えびすのおおかみ)」をまつり、“堀川のえべっさん”と慕われる同宮。「しころ」はもともと正月の舞台終演時に太鼓と双盤を使ってはやしたもので、上方芸能の保存を目的に同協会の協力を得て毎年奉納している。

 新型コロナ禍の今年は授与所に飛沫(ひまつ)防止の透明ビニールシートを設置し、マスクを着用して演奏。商売繁盛を願う参拝客は“福の大入り”を願って見物していた。禰宜(ねぎ)の寳來正和さんは「えびす様の御神徳の一つに、災いを除き福を招く『除災招福』がある。お気を付けてお参りいただければ」と話している。

疫病退散 祈り強く 縁起物「張り子の虎」人気 服部天神宮

 ○…医薬の神「少彦名命(すくなひこなのみこと)」を祭る豊中市服部元町の服部天神宮では、福笹(ざさ)の縁起物「張り子の虎」が人気を集めた。参拝者は商売繁盛とともに、疫病退散への祈りも強くしていた。

 「張り子の虎」は、江戸時代にコレラが大坂で大流行した際、薬種商が虎の頭の骨を配合した丸薬を作り、厄よけとして「張り子の虎」を少彦名命を祭る神社におさめたのが始まりとされる。同宮の十日戎では、福箕(ふくみ)の縁起物の一つとして付けていたが、新型コロナ禍を受けて、例年の3倍の数の「張り子の虎」を用意し、福笹の授与所でも取り扱った。

 兵庫県伊丹市から訪れた自営業の女性(47)は、「張り子の虎の説明を聞いて安心できるかなと思い、初めて付けた。今年は、安心して外に出られる一年になってほしい」と願った。

 同宮では、恒例の福餅授けや宝塚歌劇団のスターによる宝恵(ほえ)かご行列を中止。加藤芳哉宮司は「一日も早く平常に戻り、穏やかな一年になるよう祈りを込め、祭りを執り行っていきたい」と話していた。

コロナ対策で銅鑼封鎖 静かな今宮戎神社「裏参り」

 〇…大阪市浪速区の今宮戎神社では、本殿裏に設置されている神具の巨大銅鑼(どら)が新型コロナウイルス感染拡大防止対策として封鎖されている。

 同神社の「裏参り」は、古来、船場商人が本殿正面で商売繁盛などを祈願した後、参拝の帰路に裏手に回り“念押し”で、もう一度祈願していたことが風習の由来と伝わる。

 銅鑼は2基あり、例年の「十日戎」でも、多くの参拝者が代わる代わる手でたたいて音を鳴らす光景が繰り広げられてきた。今年は銅鑼がないことを伝えるアナウンス放送や看板を掲げて、人の波が密にならないよう参拝客をスムーズに誘導。それでも長年の風習として本殿裏でじっと手を合わせる人の姿が絶えなかった。


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