岡力の「のぞき見雑記帳」

「京都与謝野酒造」 藤原ヒロユキさん

2021年8月30日

自家製ホップでクラフトビール

早朝のホップ畑で製品を手にする藤原さん

 緊急事態宣言前に大阪市中央区でIT関連の事業を展開する『株式会社ニスコム』杉山泰規社長と近況報告を兼ねてランチをすることになった。話題はコロナ一色かと思いきや「最近、京都で新しいことを始めています。一度、遊びに来ませんか?」と言う。聞けば京都府北部で地方創生のお手伝いをしているとのこと。

 「すぐに行きます」と返事をして向かった先は、丹後半島の付け根に位置する与謝野町。周辺は「海の京都」と称され日本三景『天橋立』に臨む風光明媚(めいび)な場所である。

 到着すると紹介されたのが『京都与謝野酒造』代表の藤原ヒロユキさん。1958年生まれ、大阪教育大美術学科卒業後は中学校の教員を経てイラストレーターになる。多くの作品を手掛ける傍らビールに魅せられ、媒体で執筆をするようになった。国際ビアジャッジとして国内外の大会に招かれ、2010年には(一般社団法人)『日本ビアジャーナリスト協会』代表理事に就任した。

 2015年からは奥さまの実家があるこの地で「日本のビールに個性を出していきたい」と移住。試行錯誤を重ね主原料のホップから栽培することに成功し、本格的なクラフトビールの製造を開始した。またホップは化粧品や食料品にも活用が見込め、地元の農林課からも注目を集めている。

 そんな思いの結晶といえる自社ブランド『Hop―UpBeer』第1弾として発売されたのが『ハレバレゴールデン』。自身で手掛けたラベルには晴々とした大江山連峰でシカとオオタカが気分爽快に乾杯する様が描かれている。市販のものと比べ12倍のホップを生のまま使用。かんきつ系を想起する味わいと鼻や喉にガツンとくる鮮烈な風味は唯一無二といえる逸品である。

 「日本のクラフトビールには未来があります。腕のいいブルワー(職人)もたくさんいますしね」と語る藤原さん。次なる展開として、圃場からすぐの場所にある廃校跡地で醸造所の建設を計画している。世界に誇る新たな京都ブランドの誕生を、赤ら顔になりながら確信した。

(コラムニスト)
 ■公式ホームページ https://yosanobeer.jp/


サイト内検索