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趣のある店内にたたずむマスターの扇田順さん |
OsakaMetro御堂筋線・梅田駅から自宅のある『緑地公園』駅へ帰るには『千里中央』行に乗らなくては行けない。ホームへ続く階段を下りて、それに遭遇するかは時の運。大半が手前の駅で止まる電車がやって来る。だが、どれが来ようが「よし行くか」とつぶやき乗り込むことにしている。理由は、隣駅の『中津』で途中下車するためだ。20代中頃から10年間にわたり住んだ街。その間、父親やフリーターにもなった。
駅の階段を上がるとオレンジ色にともる看板の方へ歩く。『WHITE RABBIT TAVERN』(ホワイト ラビット タヴァーン)は豊富な洋酒とそれに合うフードを提供するBARである。重厚な扉を開けるとカウンター越しにお出迎えするのがマスターの扇田順さん。その人柄とホスピタリティーを求めて多くの常連客が足しげく通う。
席に着くと迷わず『しょうが』を注文。『モスコミュール』の仕上げにアルコール漬けしたしょうがをすりおろすオリジナルカクテルだ。おもむろにマドラーでかき混ぜながらゴクリと飲む。この一杯が私の家路を阻み続けている。
店内には『オールド・クロウ』や『ワイルドターキー』といったメーカーのレトロなアンティークが並ぶ。その中に『AgeUnknown』(エイジ アンノウン)というラベルを貼付する一本のボトル。地元企業『サントリー』の会長を務め、ウイスキーを大衆に広めた佐治敬三ゆかりの品である。横に並ぶきり箱ののし紙には『「へんこつなんこつ」刊行と「ウイスキーづくり70年」感謝の会』とある。
「ご自身の書籍を出版された際に記念で作られた貴重なウイスキーです。中身はお出しできませんがお店には飾っております」と説明する扇田さん。全方向にソーシャルディスタンスをとりながら、おかわりを繰り返し夜が更けていく。秋の夜長、今日も古巣へ寄り道することになりそうだ。
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