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なくせ!! 大阪ワーストワン




結核

2004/09/24

高い発生率、背景に地域特性

 厚生労働省は今月、二〇〇三年の新登録結核患者を発表した。大阪府は十万人当たりの患者数を表す罹患(りかん)率が十三年連続でワーストワンという不名誉な記録を更新した。がんやHIV(エイズウイルス)など死亡率が高い病気への関心が高まる一方で、「治る病気」になった結核の脅威が薄れつつあるようだ。だが、結核は現在も国内最大の感染病で、患者は依然四万人を超えている。二十四−三十日は「結核予防週間」。府内各地で啓発活動が展開される。結核は決して過去の病気ではないのだ。

■どんな病気

 NHK大河ドラマで話題の新選組の天才剣士・沖田総司が二十代の若さで結核で亡くなったのは有名な話だ。このころは結核は不治の病とされ、命を落とす人が多かった。しかし、薬が発明され、治る病気となった今でも、国内で最も患者の多い感染病としてまん延している。

 結核は「結核菌」の感染によって、主に肺が侵される病気で、人から人へうつる伝染病。感染から発病まで長い年月がかかる慢性病で、症状は風邪に似ている。感染しても気付かないことが多く、やがてさまざまな臓器に飛び火して呼吸困難を起こすなど、生命の危機を招くことになる。

 都市化、工業化、そして戦争に伴って結核患者が急増した一九三五−五〇年にかけ、結核は死因のトップになった。このころ特効薬としてペニシリンなどの抗生物質が発明されたが、治療できなかった菌保有者が今になって発病。感染者の増加が問題になっている。

■大阪が最多

 大阪府の〇三年の罹患率は、全国平均を一九・一も上回る四三・九。新規患者数は三千八百八十人にも上る。中でも、最も高い大阪市の罹患率は六八・一。四年連続で減少中だが、全国でも際立って高い数字だ。

 なぜ、大阪に多いのか。

 結核予防会大阪支部結核研究所顧問の亀田和彦氏(75)がまとめた「結核病学概論−大阪(市)の結核はなぜ減らないのか−」によると、地域的特性が大きな理由に挙げられる。

 国の全国実態調査(〇三年度)にも表れているように、大阪市内の野宿生活者(ホームレス)は六千六百三人と全国最多。亀田氏の資料では、大阪市の結核患者の約20%をホームレスが占めている。

 ホームレスには日雇い労働者が多く、その現場での感染率が高いとみられる。食事場所を転々とし、かつ市民との接触も多い工事、建設現場の労務者や運送業労務者、さらに生活保護受給者らから菌が排出される例がしばしばあるという。

 その範囲と対象者の把握は困難で、患者も規則的な治療を受けていることは極めてまれなことが問題を大きくしている。

■集団感染も深刻

 集団感染も止まらない。学校や塾、病院といった集団生活の場で多く、今月二日には大阪府泉佐野市の民間病院で入院男性が感染、入院患者と職員の計五人が発病し、府は集団感染と判断した。

 全国では毎年五十件前後の集団感染がみられるが、府内では過去五年で二十二件と突出している。中でも大阪市が多く、九九−〇三年で十五件の集団感染が起こった。

 結核は体力が衰えた高齢者だけの病気と思われがちだが、二十−三十代の若い世代の感染も増えており、その脅威はまだ衰えていない。

◇   ◇

 結核は国内最多患者の感染病。依然、多くの死者を出している。中でも、大阪府は全国で結核発生率が最も高く、世界的にも有数の感染者が多い街として知られており、感染も決して他人事ではない。

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