大森均の釣れ釣れ草

魚の味は餌次第

2017年6月13日
清流にすむアユはスイカの香りがする

 ちょっと記憶が怪しいが、2年ほど前であろうか。NHKの「ためしてガッテン」という番組で、東京海洋大学の教授が「魚の味を構成する成分はほとんど同じなので、食べられる魚であれば、ほとんど同じ味をしている」と衝撃的な解説をしていた。

 その際、ちょっとメモしてあったノートを見直すと「魚の味はうまみ成分に関しては、ほとんど同じ。脂の香りで違いが出る。脂がのっている魚ほどおいしい。脂がのっている魚は(頭の後ろが脂で膨らんでいるから)顔が小さく見える」など、今更ながら「なるほど」と思えるものが走り書きされている。

 その証拠に脂ののりが少ない部位を刺し身にし、さらに冷蔵庫で冷やしたもので魚の味を確認すると、通の人でも判別できない、という。また、魚の筋肉の中にある味の成分(遊離アミノ酸)は、誤差程度の違いしかないことが研究でも判明しているらしい。

 また、魚のおいしさは、食べた時の脂の香りを感じるからだという。脂の香りは餌によって変化し、同じ魚でも産地によって味が違うのは餌に含まれる成分が違うためだった。

▽タレントも魚も小顔

 学者の話はともかく、中央市場の仲卸の友人に魚の良しあしを見分ける方法を聞くと「おいしいのは『小顔』の魚です。餌をたくさん食べて脂がのっている魚は、頭部の後ろのコラーゲン質に脂が入り込んで背中が盛り上がってきます。そのため頭の後ろが盛り上がってくるので顔が小顔に見えるのです。体全体に対して顔が小さく見える魚を選ぶとほぼ間違いありません」とのこと。前述の「ためしてガッテン」で述べられていた内容と符合する。

 釣り人は「旬」は意識しても「小顔」に対する意識は薄かった。タレントも魚も「小顔」が上等と言うことか。

▽アユは水質

 シーズンインしたアユは、石に着くコケを食べて成長するが、川により大きく味が違う。地元の漁協は「うちのアユが一番!」と自慢し、釣り人の間でも「どこの川のアユが一番おいしいか?」など話題に上るほど、その味は違う。

 おいしいアユは釣り上げた時にスイカのような香りがする。こんなアユは、内臓はホロ苦く「爽やかな苦み」と感じ独特のうまみと相まって「おいしい!」となる。これは同じコケを食べても川の水質の違いが味に影響を与えている。

 兵庫県の千種川や揖保川は流域の下水道設備を完成させた途端にアユがおいしくなった。澄んだ清流で石に着いたコケと濁った中で育ったコケを食べたアユでは想像を及ばせても違いがありそうだ。このことも味が餌によって大きく左右される好例であろう。

 もちろん、海の魚も清流にすむアユも、鮮度を保持することが前提になることは言うまでもない。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■初島・和歌山

 沖ノ島周辺に良型アジの群れが回っている。船頭仕掛けのチョクリ釣りでアジ28〜35センチ100尾、サバ37〜45センチ20尾程度見込める。しばらく釣れ続く模様。▽松林渡船=電話0737(83)3000

 ■船(2)■家島・兵庫

 キス上向く。竿頭50尾程度に安定してきた。エサは石ゴカイまたは青イソメ。サオ2.1〜2.4メートル、8〜9号2〜3本針、オモリ15〜25号。▽山本丸=電話079(326)0238

 ■磯■梶賀・三重

 グレ良型期待。連日40センチ超あがる。同魚30〜45センチ5〜8尾程度はコンスタントに安定。水温21度前後。▽榎本渡船=電話0597(27)3313

 ■筏■堂の浦・徳島

 湾内筏でチヌ25〜45センチ5〜10尾(オキアミ・生ミック・サナギ・コーン)、湾口カセでも同様の釣果。▽斎藤渡船=電話088(688)0453

 ■筏■由良・和歌山

 酒カスをエサにした胴突き仕掛けのヌカ撒きでアイゴ上向き。20〜25センチ10〜20尾。干し物にしてすこぶる美味。▽尾張屋=電話0738(65)1006

 ■波止(2)■南港・大阪

 タコジグを使った探り釣りが大阪湾でマダコ急上昇寸前。現在のところ南港新波止で0.1〜1.8キロ10パイ前後もこれから日に日に上向く。▽丸高渡船=電話06(6613)1075

 ■SW(1)■武庫川沖一文字・兵庫

 ブリ回遊!連日90〜95センチが上がっている。早朝に釣果偏るが、メタルジグ40〜50グラムベタ底から表層まで巻き上げる。カラーはピンク系。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519

 ■SW(2)■大阪湾全域・大阪

 まとまった雨の後、各河口付近でハネの爆釣必至。大量の雨で餌になる小魚などが押し流されてくるものを待ち受けているため。小河川の河口がポイント絞り込みやすい。▽マックス岸和田=電話072(436)2828

 (大阪日日APG 川※禎昭)

 ※は山ヘンに竒