大森均の釣れ釣れ草

55センチ頭に17尾 石鏡のウタセマダイ釣り

2018年10月5日
当日の釣果の中で55センチのマダイ(中央)がひときわ光った

 マダイのブランドと言えば明石と鳴門が名高い。しかし、おいしいマダイの産地は明石や鳴門だけではない。他にもある。それは伊勢湾のマダイ。

 一般的に餌の豊富な環境下では魚に脂がのる。伊勢湾には、木曽三川をはじめとする河川が多く流れ込み、流入する植物プランクトンやミネラルも多く、それにつながる食物連鎖は、魚類や甲殻類の最下位にある生き物を豊かに育てる。

 その影響で伊勢湾は昔からエビが豊富な海と言われ、漁師はその漁業資源を伊勢湾の風物詩である帆掛け舟によって取っていた。そのエビとは、サルエビ、サイマキ(クルマエビ)、アカシャエビなどである。

 多くの混同が見られるが、ウタセエビという固有のエビがいるわけではなく、このウタセ漁という漁法で漁獲されたそれらのエビの総称を「ウタセエビ」と呼ぶ。この生きたウタセエビをエサにして、ポイントにいかりを入れて船を固定し、カカリ釣りで漁師たちはマダイを狙っていた。これが全国でも伊勢湾だけで行われている伝統釣法のウタセマダイ釣りだ。

 漁師は手釣りで挑んだが、近年の遊漁は、船頭が釣り客のマキエをし、最新の電動リールと3メートル前後のロッドで狙うスタイルが一般的で、その人気も高い。

 ▽ガンガンと竿をたたく

 9月28日、門真市の大城一基さんは、三重県石鏡の乗合船で今シーズン3度目のマダイ釣りに出掛けた。余談ではあるが、この石鏡は、鳥羽一郎、山川豊兄弟の故郷としても知られている。

 大城さんは、この石鏡で2週間前にマダイを8尾仕留めたが、さらに上向いて「毎日のように60センチもある大ダイが上がり、中小型の数も上がり出しました」と、前日に船長に聞いてその場で出撃を決意した。

 「午前中は風が吹いたようでしたが、ポイントに着いた時には無風ベタなぎで少々暑いくらいでした。釣り始めると、早速アタリがあり25センチほどの塩焼きサイズが1投1尾のペースで釣れ続きました。15尾ほど釣れたころからアタリが遠くなってきました。

 アタリが無いと底を釣りたくなります。捨て糸を短くして釣ってみると、すぐにエサが無くなります。小さなアタリを掛け合わすと、13センチほどのチャリコ(マダイの幼魚)でした。エサ盗りの正体はチャリコと判明。底近くはチャリコだらけのようなので、捨て糸を10メートル足しました。

 水深が30メートル、仕掛けが10メートルの4本針、捨て糸10メートルですから、ちょうど深さの中ほどに2・5メートル刻みで生きたエビが4尾尻尾を跳ねているイメージです。1メートルほど巻くと、穂先がフワフワッ、グイッと引き込まれました。

 すかさず大合わせ。ドーンッときました。穂先は水面に突き刺さり、ガンガンと竿(さお)をたたくような強烈な引きは、マダイ独特のものでした。無事取り込んだこの魚が、本日唯一のお刺し身サイズでした」

 この日、キープした魚は22センチ〜30センチの塩焼きサイズを16尾、55センチのお刺し身サイズ1尾の計17尾と、まずまずの一日となった。

 どうして食したかお尋ねすると「塩焼きサイズ2尾をタイめしに、55センチを刺し身、あら煮、潮汁で息子家族を呼んでタイづくしを堪能しました。わが家の冷凍庫はマイナス40度です。正月まで持ちますから、来客にも1人1尾、尾頭付きで振る舞うのがこの釣りを覚えて10年ほどの恒例になっています。残りは冷凍庫でコチコチになって出番待ってます」と、大城さんから満面の笑みがこぼれた。

週末のイチオシ気配

■船(1)■泉佐野・大阪

 午前便のタチウオが上昇気配。3日、70〜100センチ33尾が竿頭。タチウオテンヤ40号使用。釣況勘案して狙いを切り替えるので要確認。要予約。▽海新丸=電話072(469)2332

■船(2)■古座・和歌山

 メジロ絶好調。3日、串本沖で2人連れが同魚60〜65センチ19尾。天秤ヅボ仕掛け。オモリ100号、ハリス10号。要予約。▽藤田渡船=電話0735(72)0268

■船(3)■本浦・三重

 引き続きウタセマダイ期待大。連日の竿頭(マダイ25〜60センチ10尾前後)から見て同様の釣果が続きそう。要予約。▽山洋丸=電話0599(32)5967

■磯(1)■神谷・和歌山

 アリ島で底物堅調。3日、イシダイ38〜48センチ2尾。エサはウニ。上昇気配ムンムン。水温24度前後。▽佐知丸=電話0738(65)0736

■磯(2)■初島・和歌山

 アイゴ狙える。大磯、カノクビなどでアイゴ25〜35センチ10〜15尾。エサは、酒かす。2.5ヒロ、ハリス2.5号イセ尼針7号。▽松林渡船=電話0737(83)3000

■磯(3)■尾鷲・三重

 グレ活性高い。中型(30〜35センチ)がほとんどであるが、5尾程度は期待できる。ホンダワラのエサでイガミ30〜40センチが5〜10尾。▽宮城野渡船=電話05972(2)1347

■筏■福井・若狭本郷

 筏で中、小型のチヌが好調。同魚20〜35センチ20〜30尾見込める。エサは、サナギ・コーン・オキアミ。▽林渡船=電話0770(77)0591

■波止■南港・大阪

 新波止にアジ(16〜18センチ)回遊。サビキ釣りで100尾程度期待できる。他にドジョウの引き釣りでタチウオ70〜85センチ15〜25尾。▽丸高渡船=電話06(6613)1075

 (大阪日日APG 川崎禎昭)