岡力の「のぞき見雑記帳」

昔懐かしいジュース 「パレード」の秘密

2016年9月3日

シュワシュワ感に心躍る

商品を手にする大川佳文社長

 消費者の健康志向が高まりミネラルウオーターや特定保健用食品の需要が高まっている。しかし、昭和時代を過ごした世代にとって飲み物と言えば「ジュース」。彩り豊かななパッケージと甘く口の中に広がるシュワシュワ感に心が躍った。

 ここ数年、懐かしいジュースを紹介する書籍が話題になっている。人それぞれ、お気に入りの銘柄があり自身の半生を振り返りながら郷愁にかられる。幼少の頃の思い出として部屋に飾ってある一本の空き瓶。ラベルには、「パレード」と印字されてある。「あの頃に帰りたい」。早速、製造元を訪問する事にした。

 昭和26年に港区で創業した大川食品工業は、老舗の飲料メーカーである。戦後、砂糖が貴重品だった時代にラムネやみかん水を製造し人々に喜びを与えた。その後、駄菓子屋や銭湯を販路に清涼飲料水需要が高まり大阪だけでも約160社、同じ港区だけでも5社の同業があった。

 だが、1950年代に入るとアメリカより2大コーラメーカーが参入。日本メーカーは、大打撃を受け10分の1に減少した。「コーラに対抗できる商品をつくりたい」という思いから全国で加盟を募り、統一商標で販売した炭酸飲料が「パレード」だった。

 瓶を共同購入する事でロットをかせぎ商品の品質向上と業界の結束を高めた。現在は、パレード(炭酸飲料)、シーホープ(果汁飲料)、GL(ラムネ)それぞれの組織が合併し頭文字をとって「PCGボトラーズ」として展開。大川食品工業2代目の大川佳文さんが会長を兼務している。「会長を務めて20年になります。インターネットの販売等、生き残るためのアイデアを考え情報交換をしています。地サイダーの企画も会合から生まれました」。

 販路は時代の流れで変化している。しかし、変わらぬ味とパッケージで人々を癒やし続けている「日本のジュース」。今日も業界の英知を結集しながら世界に通用するブランドを創出している。

(コラムニスト)

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