平和の音色 響かせ 市民ら被爆ピアノで演奏

 終戦から78年目の夏を迎え、原爆投下で被害を受けた「被爆ピアノ」を演奏するコンサートが米子市文化ホールで開催された。市民らが平和への思いを込めた音色を響かせた。

 被爆ピアノは爆心地から約3キロ以内で被害を受けたピアノ。矢川ピアノ工房(広島市)の矢川光則さん(71)が7台を保管している。2001年から4トントラックで全国を回ってコンサートを開いており、米子市での開催は昨年に続き2回目となった。

 演奏されたのは広島市の爆心地から約2・6キロ離れた民家で被爆した「カズコのピアノ」。一般公募で選ばれた市民ら6人が「あしたははれる」「青い空は」「イマジン」などを思いを込めて奏でた。山陰を中心に活動するミュージシャンらの演奏も披露された。

 広島市で被爆した友人らに経験談を聞いたという米子市安倍の松浦由美子さん(86)は「初めて演奏してみて思ったより音がきれいで感動した。平和を守る思いで、多くの人にこの歌を歌ってほしい」と願った。

 矢川さんは「戦争を語り継ぐ人が減る中で、被爆ピアノの果たす役目はますます大きくなっていく。音楽を通して平和を考えてもらう一歩になれば」と思いを込めた。

 コンサートは「2023平和のための戦争展」(実行委員会主催)の一環で開かれた。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事