国立公園・大山の夏山登山道入り口にあり、2020年から休止していた「下山キャンプ場」が施設などを一新し、「モンベル大山キャンプサイト」として生まれ変わった。国立公園の魅力化を進め、国内外の旅行者を誘客する環境省の事業一環で、アウトドアメーカーのモンベル(大阪市)が再整備を主導し、運営も手がける。14日に現地で記念式典があり、関係者が再オープンを祝った。
同キャンプ場は敷地面積5・54ヘクタール。1956年に開設され、登山愛好家の野営地として親しまれた。施設の老朽化などから、環境省が「国立公園満喫プロジェクト」の一環で再整備を計画。設計と施工、施設の維持管理を一括発注するDBO方式を初めて採用し、モンベルを中心とする共同企業体と契約を交わした。
総事業費は6億9700万円。地上1階地下1階の管理棟やトイレ、場内を移動するための車道などを整備した。手ぶらでキャンプを楽しめる常設テントや電源を備えたデッキサイトなど、ニーズに合わせて4種類63区画のキャンプサイトを配置した。
式典でモンベルの辰野勇会長は「自然に接する参加型の観光の場として喜んでもらえる施設になった。素晴らしい環境を生かし、自然観察プログラムなども考えていきたい」と話した。
施設は12日にオープン。同社の従業員ら7人が運営に当たり、ホームページなどで予約を受け付けている。