【幸せは探さないけれど 武田鉄矢 『今朝の三枚おろし』30年 #3】掘り当てた金脈、白川静 「奥行き」ある人が好き

  •  白川静さんの本

 俳優・歌手の武田鉄矢さんが平日朝、ユーモラスに語るラジオ番組「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」(文化放送をキー局に全国各地で放送)が30周年。読み込んだ本を、いま関心の高い話題と絡めて取り上げる内容が聴く人の好奇心を刺激する。番組を通じて考えたことを聞く連載の第3回。

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 〈番組を続ける中で特に影響を受けた人は〉

 自分が物の見方も含め何もかも変わったと感じたのは、司馬遼太郎さん(の著作)を読み始めてからですね。続いて、番組を通じてすごい金脈を掘り当てたぞ、っていうのが漢字学の大家、白川静さんだったんですね。胸がときめきましたね。

 約3300年前、中国・殷の時代に最初の漢字が作られたのですが、私、さかのぼるのが好きで。そこでカメの甲羅を焼きながら占いをする、つまり神様と通信し、その内容を記録するツールが漢字だったというのが白川説なんです。文字としての漢字の成り立ちや意味を学ぶと、古代の情景が見えてくるんですよ。

 例えば、旗ざおを持って人が歩いているような古代文字。これが「遊」という漢字の起源になる。古代人は旗に自分たちの氏族の神霊が宿っていると信じていた。グループ旅行じゃないで...

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