こうの史代の人気漫画が原作のミュージカル「この世界の片隅に」が、5月9日~30日に東京・日生劇場で上演、その後全国ツアーが行われる。太平洋戦争末期の広島県・呉で生きる人々を繊細なタッチで描き、ドラマやアニメにもなった名作が初のミュージカル化。シンガー・ソングライターとしても知られるアンジェラ・アキの力強い音楽が、物語に新たな命を吹き込む。
主人公すず役は昆夏美と大原櫻子、その夫・周作役は海宝直人と村井良大がそれぞれダブルキャストで演じる。ミュージカル界の第一線で活躍する4人が演出家らと手を携え、自由に意見を出し合いながらステージを構築しているという今作。海外作品の“輸入”が多いミュージカル界で、「日本人のスタッフとキャストによる、日本語のミュージカル」を生み出す熱気に満ちた稽古場の雰囲気を聞いた。
【目次】
(1)日本人としての覚悟を
(2)「強い音楽」とのバランス模索
(3)歌詞もせりふもどんどん変化
(4)ミュージカルで戦争を描くということ
(5)互いに刺激し合う稽古場
(6)「日本人のために、日本人が演じる」ミュージカル
(1)日本人としての覚悟を
▼記者 まずは昆さんと大原さ...