本格的な登山シーズンを前に、新温泉町海上のシワガラの滝で7日、同町と美方署が合同で、滝に向かう登山道の点検と啓発活動を実施した。参加した署員らが点検しながら登山客に啓発チラシを手渡し、事故に注意するよう呼びかけた。
シワガラの滝は、洞窟の内部にある珍しい秘境の滝として知られる。愛好家を中心に人気を集める一方、2021年には死亡事故が発生。過去3年間に山岳遭難も2件発生している。
活動は滑落事故や山岳遭難の防止を図る目的で、23年から毎年実施。署員や町職員、登山道を管理するNPO法人上山高原エコミュージアム(同町石橋)の会員ら計9人が参加した。
参加者は、登山道のロープや鎖、啓発看板の状態を入念に確認しながら、1時間ほどかけて滝に向かった。途中の急斜面や沢沿いでは、不安定な岩や石がないか確かめながら慎重に進んだ。点検の結果、登山道に異常はなかった。
同署の酒井正高地域課長は「基本的な装備をそろえた上で、安心安全に登山を楽しんでほしい。万が一の事態に備えて登山届の提出を」と呼びかけた。同法人の馬場正男代表理事は「山歩きのできる服装を、最低限身に付けてほしい。鎖やロープを持てば事故は起きにくい」と話していた。