【東京ウオッチ】私たちの現在地と未来像は?―森美術館で「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展

いまのTokyoをつかむイベント情報(17日~25日)

  •  ビープル「ヒューマン・ワン」はネット上で日々アップデートされ続けているシリーズ。背景を日本風にした第6章が、初めて展示空間に登場した=東京・六本木の森美術館(提供写真)
  •  ルー・ヤン「DOKU(独)」シリーズ。明るい場所でもクリアな映像を鑑賞できるLEDパネルで上映=東京・六本木の森美術館(提供写真)
  •  ケイト・クロフォード、ヴラダン・ヨレル「帝国の計算:テクノロジーと権力の系譜 1500年以降」(インクジェットプリント、ビニールシート)の展示風景=東京・六本木の森美術館(提供写真)
  •  木造一軒家に展示されたアンティークの椅子やアート作品=東京・東五反田(photo:Yuki Ogawa)(提供写真)
  •  長い歴史を持つ赤箱の「牛乳石☆(鹸のツクリが瞼のツクリ)」(上)と青箱のアイテム(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【17日(土)】

 ▽「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(~6月8日、港区)

 生成AI(人工知能)をはじめとする最新テクノロジーが美術表現にもたらす可能性を探る展覧会が、六本木の森美術館で開かれている。

 近年、AIやゲームエンジンを駆使したメディアアートは急速に進化。「その影響が現代アート全体に浸透し始めた実感に基づき企画した」と片岡真実館長は語る。背景に「デジタルネーティブ世代の登場と、コロナ禍の移動制限を機にデジタル空間での創作が活発化した状況がある」という。

 参加アーティスト12組13人は、同館で行うグループ展としては少人数で、各作家に広い展示スペースが確保された。アセット(テレビゲームの構成要素)から生物・鉱物由来の素材まで多様なデータを生成し、斬新な質感を獲得した映像、絵画、造形。機械との双方向の対話も促される空間になっている。

 回転する4面ビデオ・インスタレーション「ヒューマン・ワン」は、メタバース(インターネット上の仮想空間)に誕生した“最初の人間”が歩く姿を延々と映し出し、人類とマシンが融合する未来を連想させる。作者ビープルは、複製...

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