コンクラーベで振り返る人生の真実 苦労と模索の歩みに説得力

  •  茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
  •  2025年5月8日のコンクラーベで、新ローマ教皇選出を知らせる白煙=バチカン(ロイター=共同)
  •  5月8日、第267代ローマ教皇に選ばれバチカンのサンピエトロ大聖堂バルコニーに現れたレオ14世(ロイター=共同)
  •  5月8日、史上初のアメリカ出身教皇を星条旗で祝福=バチカン(ロイター=共同)
  •  ローマ教皇は、イタリアの首都ローマ内にある世界最小の独立国バチカン市国の元首

 ローマ教皇フランシスコの死去を受けて行われたコンクラーベ(教皇選挙)で、アメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)が第267代教皇に選出され、レオ14世を名乗ることとなった。

 アメリカ出身の教皇は初めて。フランシスコ前教皇の改革路線が今後どうなるのか、また、信仰を巡る環境が変化し、人々の価値観が多様化する中、世界に約14億人の信者がいるカトリック教会をどのように導いていくのか、注目される。

 私自身は特定の信仰を持たないが、国内外の友人の中には、カトリック信者がいる。彼らにとって、ローマ教皇が非常に大きな存在であることは常々感じている。

 教皇のいるバチカンは、数々の小説や映画の舞台ともなり、魅力的な文化にあふれる場所として日本人にもなじみ深い。サンピエトロ大聖堂の中にあるミケランジェロ作の彫刻『ピエタ』や、コンクラーベの会場でもあるシスティーナ礼拝堂の、やはりミケランジェロ作の天井画『創世記』や壁画『最後の審判』はあまりにも有名である。今回の教皇選挙は、必ずしもカトリック教徒ではない日本人にとっても、高い関心事であったことは間違いない。

 ところで、ローマ教皇は世襲制で...

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