ローマ教皇フランシスコの死去を受けて行われたコンクラーベ(教皇選挙)で、アメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)が第267代教皇に選出され、レオ14世を名乗ることとなった。
アメリカ出身の教皇は初めて。フランシスコ前教皇の改革路線が今後どうなるのか、また、信仰を巡る環境が変化し、人々の価値観が多様化する中、世界に約14億人の信者がいるカトリック教会をどのように導いていくのか、注目される。
私自身は特定の信仰を持たないが、国内外の友人の中には、カトリック信者がいる。彼らにとって、ローマ教皇が非常に大きな存在であることは常々感じている。
教皇のいるバチカンは、数々の小説や映画の舞台ともなり、魅力的な文化にあふれる場所として日本人にもなじみ深い。サンピエトロ大聖堂の中にあるミケランジェロ作の彫刻『ピエタ』や、コンクラーベの会場でもあるシスティーナ礼拝堂の、やはりミケランジェロ作の天井画『創世記』や壁画『最後の審判』はあまりにも有名である。今回の教皇選挙は、必ずしもカトリック教徒ではない日本人にとっても、高い関心事であったことは間違いない。
ところで、ローマ教皇は世襲制で...