コラム

[野分 大阪発・論点] 関西遷都構想(8)

2019年12月21日

SST総選挙で遷都実現だ

相沢 冬樹

 歴史的にも現実的にも首都は大阪がふさわしい、関西遷都の実現を、と主張してきた。だがもちろん異論のある人もいらっしゃるだろう。東京のままでいいという人。あるいは天皇陛下が京都に戻られるなら首都も京都にという人。いやいや名古屋が、横浜が、福岡がいいという人も。過疎地に遷都して新首都を一から築くのがいい、という人もおられるだろう。

基礎自治体に限定

 みな、それぞれ理由がある。であるなら大いに議論を戦わせた上で、最後は民主国家らしく選挙で決着をつけてはどうか。AKB48選抜総選挙にならいSST(S=新、S=首、T=都)選抜総選挙を。本家AKBは今年総選挙をしなかったが、SST総選挙で見事1位を射止めた街が日本のセンター、すなわち首都になる。

 まず全国各都市の立候補を募る。立候補の条件は基礎自治体であること、そして地元議会の同意を得ること。立候補を基礎自治体に限るのは首都とは都市であり、都道府県は広すぎるから。例えば北海道全体が首都ってあり得ますか?

 この時点で東京都は立候補の資格を失う。戦前まで日本の首都は東京市だったが、戦時中の府市合併で東京市はなくなった。以後、東京都が首都とされてきたが、これは明らかにおかしい。東京都は奥多摩も伊豆諸島や小笠原諸島も含む。首都と呼ぶには広すぎる。

 日本地図には東京という都市名が描かれているが、東京という都市は今はない。他の県庁所在地はすべて都市名で書かれているのに東京都だけ存在しない都市、東京が描かれている。ここに矛盾があるのである。東京都でSST総選挙に立候補できるのは、例えば千代田区であり新宿区である。でも首都・千代田区や首都・新宿区に投票しますか?

決着は堂々と

 京都は歴史的に一番もっともな由来がある。だが首都機能を移転させるのに今の京都の街では狭い。それに京都は雅(みやび)な地。天皇陛下に静かにお住まいいただくとともに、文教都市として栄えるのがふさわしい。政治行政? そんな世俗のことは大阪はんに任せといたらよろしおすなぁ。

 横浜が新首都になると、東京に近すぎるので関東直下地震でのリスク分散という危機管理の意味合いがなくなってしまう。名古屋は日本武尊(やまとたけるのみこと)に由来する熱田神宮はあるが、実際は江戸期に入って尾張藩が置かれてから成長した街で歴史が浅い。福岡は歴史的には条件を満たすが、首都とするには西に偏りすぎているだろう。

 ほぼまっさらからの新首都建設はワシントン、キャンベラ、ブラジリアなどに先例がある。だがこれらはいずれも米国、オーストラリア、ブラジルという歴史の浅い新興国だ。まっさらな所に首都を置かざるを得ない事情もあった。日本のように歴史と伝統ある国にふさわしいとは思えない。

 こうしてみると私が「大阪こそ新首都にふさわしい」と訴える理由が分かっていただけるのではなかろうか? いずれにせよ決着は堂々とSST選抜総選挙でつけよう。投票権はCDを買った人、なんてケチなことは言わない。18歳以上の全有権者だ。決着がついたらノーサイド。ラグビー日本代表にならい、恨みっこなしで遷都に邁進(まいしん)だ!

(おわり)

 (大阪日日新聞編集局長・記者)


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