コラム

[潮騒] 1月16日(日)

2022年1月16日

 「これらの課題に解決の見通しがつかない場合は、事業実施に向けた最終的な判断ができないということもあり得ると考えているが、公民連携して引き続き取り組んでいきたい」。何とも歯切れの悪い言葉だが、普通に聞けば「課題の解決に見通しがつかなければ事業実施できない」けれども「取り組んでいきたい」という意味だろう◆舞台は、大阪府と大阪市が開催しているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致事業の説明会。冒頭の発言は事業実現の課題について、参加者から問われた担当者の回答だ◆課題とは何か。説明資料には「新型コロナウイルス感染症が収束し、国内外の観光需要の回復に見通しが立つこと」「土壌汚染・液状化等への適切な対応を含め、IR事業用地の適性が確保できること」など6項目が挙げられている◆土壌汚染や液状化の対策費用790億円は大阪市が単独で負担するスキームで、課題解決の見通しが立たなければ市には巨額の負債が残ることになる◆他にも、IR事業の中核であるMGMとオリックスについて「投資実行に際しての深刻な財務状況の悪化が生じていないこと」など行政の手の及ばない課題が多く、見切り発車で進めるには市民のリスクがあまりにも大きすぎる。(木)


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