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“交通弱者”を支援 寝屋川市、無料タクシー運行へ

2021年3月1日

 高齢者や身体障害者、妊婦といった“交通弱者”を支援するため、寝屋川市は今春から、タクシーを活用した「乗合い事業」をスタートさせる。電話1本で、一定区域内を無料で利用できるサービスだ。市によると、事前の登録や予約を必要とせず、オンデマンド形式での無料運行は府内初。路線バスとも連携してシルバー世代の外出を促し、運用拡大も見据える。関係者は地域の足として「第三の公共交通網に」と相乗効果を期待する。

協定を交わし、記念撮影に応じる(左から)大阪タクシー協会の坂本会長、広瀬市長、京阪バスの鈴木社長=寝屋川市役所

 市によると、2019年10月現在、高齢化率は29・6%で、府平均の27・6%を上回る。自転車に乗れなかったり、運転免許を返納する向きも加速しており、地域によっては自宅から医療機関や商業施設が遠い上、交通手段もないというケースがみられる。

 そんな人たちを支えようと、市は19年12月から複数人で乗車する「乗合いワゴン」を試験実施しており、対象地域や時間帯を拡大して本格導入する。

 対象エリアはバス路線がない交通の空白地で、急な坂道や狭い道路も多い成田地区や、郊外にある仁和寺、河北地区の3カ所。定期運行ではなく、平日の午前9時から午後5時まで需要に応じ、70歳以上人口の約5700人などを想定する。

 予算額は、乗車1回につき920円と算定し、市負担分として2058万円を計上。域内は自由に乗降でき、域外は医療機関やスーパー、バス停留所などの指定場所が対象になる。域外は一律300円だが、一部は無料で利用できる。

 市と大阪タクシー協会(大阪市中央区)は9日、市役所で協定を締結。同協会の坂本栄二会長は「お出かけのお手伝いをするのが公共交通の役割だ」と説明した。

 また市は、路線バスを運行する「京阪バス」(京都市)とも協定を結び、市全域で利用促進のサービスも始める。本来の運賃が230円であれば、チケットを提示すると70歳以上や妊婦は100円で乗車できるようになる。鈴木一也社長によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高齢者の出控えが売り上げ減に影響しており、「コロナ後を見据え、需要を回復していきたい」と期待する。

 広瀬慶輔市長は記者会見で「都市部での新たな交通網の在り方を提案したい。高齢化社会への対応にチャレンジしていく」と意気込んだ。


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