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「座れる通勤電車」人気 豪華プレミアム座席も

2018年1月17日

 朝夕の満員電車にうんざりする人は多いはず。そんな日常に“サヨナラ”したいと、「確実に座れる通勤電車」の人気が急上昇している。京阪電鉄(大阪市中央区)の特急「プレミアムカー」は豪華なシートが売りで、予想を上回る利用状況。南海電鉄(同市浪速区)と泉北高速鉄道(大阪府和泉市)が通勤時間に運行する「泉北ライナー」も好調だ。背景には路線価値向上を狙う各社の戦略と、“自分の時間”確保に出費を惜しまない人々の志向の高まりがある。

豪華な座席が売りの京阪電鉄のプレミアムカー=大阪市中央区の京阪淀屋橋駅
広々とした3列シートが特長のプレミアムカー車内(京阪電鉄提供)
車体を金色に施した南海・泉北高速鉄道の「泉北ライナー」=大阪市中央区の南海難波駅

■空間の価値

 京阪プレミアムカーは2017年8月20日に淀屋橋−出町柳間の特急に登場。同社初の座席指定車両で、前後の間隔が従来より10センチも広い3列シートのゆとりある座席配置が特長だ。

 シート生地には肌触りの良い素材を活用。大型ヘッドレストを採用し、座るとシートに包み込まれる感覚だ。JRのグリーン車に匹敵する高級座席だが、乗車券に400〜500円を上乗せするだけで高級感が味わえる。

 同社によると、平日の乗車率は7割強、土日は8割強と上々。平日の朝夕は満席が続く。18年3月末までの利用者数は当初想定を3割上回る約60万人に達する見込みだ。同社広報は「通勤通学から観光まで幅広い層に利用いただいている。生活の一部である移動空間の価値を高め、沿線のブランド力向上も図りたい」としている。

■金色の車両

 「泉北ライナー」は難波−和泉中央間を約30分で結ぶ全席指定の通勤特急。南海と泉北高速鉄道が15年に運行開始し、17年8月に現在の11・5往復(平日)に増便した。運賃と510円の特急券を購入すればリクライニング座席でゆったりと通勤できる。

 南海によると、昼間の時間帯は空き座席もあるが、和泉中央を午前6〜7時台に出発する便は70〜90%台の乗車率を維持。米国のゴールドラッシュをイメージし車体を金色に施した車両も導入され、各座席にはコンセントも用意されている。

 南海は難波−和歌山市間でも座席指定の特急「サザン」を運行し、平日朝の難波行きは80〜100%の乗車率。11年には座り心地を改良した「サザンプレミアム」も導入した。「ラピート」「りんかん」など他の特急も通勤利用が好調で、同社広報は「追加料金を払ってでも着席したいというニーズは確実に高まっている」と説明する。

■幅広い目的

 「座れる電車」といえば、近畿日本鉄道(大阪市天王寺区)を忘れてはならない。同社は「お年寄りや女性が座って移動できるよう、戦後間もない頃から全席指定の特急を走らせてきた」(広報)と力を込める。

 近年はインターネット予約によるチケットレス利用も拡大し、16年度の特急利用者数は15年度を0・8%上回った。「通勤やビジネス、日常の移動など幅広い目的で利用いただける特急を引き続き運行していきたい」としている。